年始のこと、ゲームをつくろうとしたり、生誕祭、ハッカソンに出たり、文芸漫談に行った。

明けましておめでとうございます。
今年はブログをたくさん更新しようと思ってたのに、
2月になってしまった。なんだろう。

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この写真は2015年1月1日になってすぐに、
壁に穴八幡宮の御札を貼ったところ。
年末年始は母が実家へ帰っていて大変だった。
大晦日、ぼくはじゃがいものスープを作った。
あったかいスープを飲みたいと思って作り始めて、
最後の工程で「冷やす」と書いてあって、えっと思ったら、
「ビシソワーズ(冷製スープ)」のレシピだった。
冷やさずに飲んだけど、まずくて、
妹が「これと同じのがマトリックスに出てた」と言って、
なるほど、それだと思った。大量に作ってしまい、
お椀に50杯分はあって、あまらせてしまった。
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元旦の昼から、恒例となっている小宮山さんの凧揚げに参加した。
吹雪いていた。元旦凧揚げ初の雪だった。
お正月の江ノ島は混雑しているのだけど、この日は空いていた。
海辺も人がほとんどいなかった(いつもなら夕陽を見る人が、
のんびり座っていたり、犬を散歩させている人がいる)。
強風の中、わーっと凧揚げをして、撤収。
そのあとデニーズでおしゃべりして、人狼をして帰った。
小宮山さん、ひでおさん、イガラシ夫妻、
なおさん、おのしゅうさんが来ていた。
しみじみしていて、よかった。
家に帰ったら、妹がお腹をこわしていた。
ぼくのスープが原因だった。酸っぱくなっていて全部捨てた。
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(ダヤンさん撮影。自作の凧を持ってきたひでおさん)


休みの期間はゲーム作りをした。
Unityというゲーム開発環境をダウンロードして、
本を見ながらちょこちょこ作っていった。
空から降ってくる皿を鉄球で割るゲーム。
このブログの前身の「しーなねこのページ」で公開していた
「皿割」というゲームの2015年版みたいな感じになった。
思えばぼくが初めてネット上に現れたときは、
フリーゲームソフト作者としてだったのだ。
いつのまにか、いまみたいなことになっている。
わからないものですね。インターネットすごい。
ここで遊べます。ハイスペックのPCで遊んでください)


今年の目標、というとおおげさだけど、
どういう感じでやっていこうかなと考えて、
「打率のよい生活」みたいなことにして、やっている。
毎日、小さなことでもいいので明日につながることをしよう。
ヒットやフォアボールでも、とにかく出塁して得点につなげたい。
たいしたことではなく、「ぐっすり眠る」とか「ジムで運動」でも、
ヒットにしている。「ゲームを作った」はツーベースヒットとか。
とにかく、ムダにすごさないようにしようと、
「打率のよい生活」を念頭においてから、
わりと毎日小さな充実感をもって生活できている。

1月9日

台湾の人気旅行雑誌「TRAVELER luxe」の巻頭特集で、
エクストリーム出社が紹介された。
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年末にあまやんさんと一緒にインタビューを受けたのだった。
通訳の方に間に入ってもらって、エクストリーム出社について、
いろいろお話したことが掲載されている(台湾語なので、
詳しくはよくわからないのだけど)。うれしかった。
日本ではOZmagazineにエクストリーム出社の
上級・中級・初級編の紹介で出ている。

1月10日

おのしゅうさんと夕方から鶴ヶ岡八幡宮へ行った。
どうも1月は、具合というかバイオリズムがよくないみたいで、
昼寝して頭痛がしていて、鎌倉まで行けるかと思ったけど、
コーヒーを飲んだらよくなってきた。
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初詣をして、参道沿いにある峰本で鍋焼きうどんを食べ、
ビール中瓶を半分飲んだ。うまかった。
おのしゅうさんと話して、
今年は自意識を薄めていきたいと語った。
強すぎる自意識とか自己愛が、結局自分を苦しめている。
とらわれずに力を抜いて生きる方が、自分にも他人にも楽ですよね。
それがむずかしくても、表面上はそう見えるようにすごしたい。

1月11日

胃腸の具合がわるいのでクリニックへ行って薬をもらった。
毎朝1回飲む薬なのだけど、どこにもなくて、
よく探したら、ゴミ箱に入っていた。
ぼくが無意識で捨てたのだ。おそろしい。
うっかりといえば、スポーツジムのロッカーが、
盗難防止のためにロッカーキーに番号を付けなくなったのだった。
なので、ロッカー番号を記憶しておかなくてはいけないのだけど、
運動後に自分のロッカーが分からなくなることがたまにある。
シャワーを出て素っ裸で分からくなっている人もたまにいる。
ぼんやりしていたら明日は我が身だと思って不安になる。
胃は年末年始の飲みすぎがよくなかったのだろうなと思う。

1月17日

Hassy&Massy生誕祭だった。
渋谷のイベントスペースを借りきって、
飲み食べ放題で、いろいろな出し物が発表された。
ぼくも毎回出し物をさせてもらっている。
年初に行われるイベントなので、自分の出し物の出来が、
今年1年の成り行きをうらなうと勝手に思い込んでいる。
みなさん気合いが入っていて、今年はバンドがあったり、
hassyさんはムービーを作っていたし、
かりんさんはミリオタ漫談(ためになっておもしろい)をして、
中田さんは平行世界の話(こわかった)をした。
たいへん充実していて満足した。

これがhassyさんの動画。
ぼくは「似てる顔シリーズ2015」をした。
似ている顔を集めて発表した。
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(小宮山さん撮影)

ところで、ネットで「似てる顔」を探していると、
たいてい誰かがすでに「似てる」ということを指摘していたりする。
しかもぼくが気づいたよりも、さらに似ている人を挙げていたりする。
例えば、テニスの錦織圭選手を、ぼくは「トイ・ストーリー」の
ウッディに似てると思ってウッディの画像を検索していたら、
あるまとめサイトで、錦織圭選手は「アナと雪の女王」の
オラフに似ていると画像付きで書いてあって、これは負けたと思った。
このようなことはいくらでもあって、似てる顔以外にも、
お笑い芸人がやる「あるあるネタ」なんかは、
ほぼ出尽くしてしまっているのではと心配になる。
ひとりの芸人の発想を、ネット上の何千何万もの人たちの、
あらゆる角度から切磋琢磨して創られた集合知が、
完全に凌駕している。いずれ、より創造的な分野についても、
この波が押し寄せてくる。そうなったら、
ぼくらインターネット雑技団はどうすれば、
生産的でクールに振る舞えるのでしょう。

1月24日

初めてハッカソンに出た。ハッカソンとは、
ハック(hack)とマラソン(marathon)を合わせたもので、
エンジニアやデザイナーや企画者でチームを組んて、
1日とか2日かけてサービスのプロトタイプみたいなものを作って、
発想のおもしろさ便利さ、作ったものの完成度を競うイベント。
YUさんにイベントの2日前に急にお誘いいただいて、
よくわからないまま、ものは試しと参加したのだった。


ハッカソンのテーマは、
ソニーが開発中のMESHという電子ブロックを使って、
未来の家では当然になっている生活を実現させようというもの。
ハッカソン参加者は50人で、うち20人がソニーの人、
20人がニフティの人、残りの10人が「変わった人(?)」
という分類と認識していて、
ぼくはその第三の枠で呼んでもらったのだと思っている
ソニーでもニフティでもないので)。


未来の家を実現する舞台として、
すでに完売した豪華なマンションのモデルルームが使われて、
非日常的な空間にいるだけで、刺激的だった。
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1日目の午前中は、アイデアを出すフェーズで、
3タイプのモデルルーム(ファミリー、シンプルな夫婦、大金持ち)を
ぐるぐる見てまわり、課題抽出をしてハチノスシートに書いた。
参加者同士で話をしているうちに、アイデアがまとまって、
それぞれ2、3枚アイデアを紙に書いて壁に張り出す。
100枚ほどのアイデアのうち、いいと思ったものに星を付け、
星の数で10個のアイデアに絞られる。
絞られた案を出した人は、簡単な発表をして、
その内容に共感して一緒に作りたいと思ったところへ集まって、
10のチームができあがった。


ぼくの出したアイデアも、10のうちの1つに選ばれたのだけど、
チームに来てくれたのは2人で、全チームの中で最少人数だった。
イデアのよさとぼくの不気味さが打ち消しあった結果だと思う
(運営者の方は「3人がちょうどいいですよ」と言っていた)。
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メンバーは、ニフティのNさんとEさんで2人は同期だそうで、
ぼくは8つほど年上だったのだけど、同い年くらいかと思いました
と言われて気分をよくしました。ありがとうございます。
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ここからぶっ続けで開発をはじめて、議論をして、
2日目も朝10時からあって、16時まで開発をした。
技術的なところは、MESHからデータを取ってアップするのをNさん、
データをサーバーに入れて分岐させるところをEさん、
値から音楽を再生するのをぼくが担当した。
発表の1時間前までうまく動かなくて焦ったのだけど、
なんとか動作するものが完成したのだった。


当初のアイデアは、置いた場所の空気
(センサーで取った温度や湿度、周囲の騒がしさや振動、
位置などから分析する)を読んで、その場にふさわしい音楽を
自動で流すスピーカーを作るというものだったのだけど、
話し合いを経て、スピーカーを「スリッパ」に変更して、
センサーで取るものは、足元の動きに絞ることにした。
人間の感情は足元に出るし、とりあえず足の動きで十分だと。
フロイトもこう書いているし。

眼で見、耳で聴くことのできる者なら、
人間には秘密などもちえないといっても納得できるだろう。
口が黙していることでも、指先がしゃべってしまうのだ。

それで、空気を読んで音楽を奏でるスリッパということで、
「ミュージッパ」と命名した。
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そして発表。ぼくらは2番目に発表をした。
NさんとEさんが2人とも「発表したいです!」というので、
発表をお任せして、ぼくはミュージッパを実演することにした。
1階の発表会場から、2階のモデルルームへ中継をつないで、
ぼくは2階でミュージッパを履いて出番を待った
(下で何が行われているのかはわからない)。
あらかじめ決めておいた筋書きは、
Eさんがぼくのケータイに電話して吉報を伝えるので、
それを聞いたぼくが大喜びするとミュージッパが明るい音楽を出し、
しばらく喜びまくってベットに倒れこむと、
音楽がフェードアウトして消えるという内容。
その通りやって終わったと思ったら、再び連絡があり、
「しーなさんの動きがおもしろいのでもう1回お願いします」
と動きにアンコールがあって、2回やった。


結果、入賞はしかなったのだけど、
最後の総評で、審査員のギズモード編集長の尾田さんが、
ミュージッパを気に入ってくださって、
「ギズモード賞あげます」といきなりおっしゃって、
急遽、ギズモード賞と、ギズモードTシャツをいただいた。
とてもうれしかった。「いい動きでしたね!」と、
再び動きについて評価をいただいたのだけど、
自分がどんな動きになっていたのか、自分で見れていない。
それと審査員のDPZの林さんからも、
「ここ(1階)にいて、離れたところにいるしーなさんが、
いま何しているのかがわかるのが不気味ですね」という
コメントをいただいたのがうれしかった
(「便利」とかでなく「不気味」というところがよかった)。
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優勝は「仮面ライダーMESH」だった。
ソニーの人もニフティの人も、みんな素敵な人たちで感動した。
とても勉強になったけど、超つかれたので、
半年に1回くらいでいいと思った。
イベントの様子が、ニュースサイトなどにありました。

1月30日

文芸漫談に行った。北沢タウンホール
今回のテーマはウラジミール・ナボコフの「ロリータ」。
奥泉光さんと、いとうせいこうさんが語る。
あらかじめ「ロリータ」を読んだのだけど、
長いし、内容が内容だけに、うわーとへこんだりもしたけど、
文章がおもしろく、展開も次から次へと、
飽きないように進んでいくので、最後まで読んだ。
漫談で、「ロリータ」という作品の社会的な背景や、
ハンバート・ハンバートという主人公の名前からしての
反復の連続だったり、様々な仕掛けが、
細部にまで組み込まれていることがよくわかった。
最初に出てくるアナベルとの関係、最初に結婚したヴァレリア、
ロリータの母ヘイズとの関係、ロリータとの関係、リタとの関係が、
反復で、最後にロリータが大人になってニンフェットでなくなっての
ハンバート・ハンバートの語りで、反復から抜けたというのは、
なるほどと思った。

高い崖からその音楽的な振動に耳を傾け、
控えめなつぶやき声を背景にして
個々の叫び声が燦めくのに耳を傾けていると、
私にはようやくわかった。
絶望的なまでに痛ましいのは、
私のそばにロリータがいないことではなく、
彼女の声がその和音に加わっていないことなのだと。

なんじゃこれ的に爆笑が起こるところも多々あって、
あらためて鑑賞すると、やっぱりおもしろいなあと思った。
ホールを出て、一緒に行ったYさんと、
文芸漫談後に3回連続で行ってる居酒屋に入って、
刺身と、ビール日本酒を飲んで帰った。


年末年始、書ききれていないのだけど、
歌人の伊波さんと上大岡で飲んだり、
川崎の商品開発研究会の新年会があったり、
たのしいことばかりだった。

「へもい・オブ・ザ・イヤー」大賞決まる

へもいっ子クラブは、各界でもっとも活躍した「へもい人」に贈る
「へもい・オブ・ザ・イヤー」を12月24日に発表しました。
選考はへもいっ子クラブ代表の椎名氏が自宅で行いました。


「へもい・オブ・ザ・イヤー」は、

・へもいっ子のロールモデルを掲示
・世間に埋もれがちなへもい業績に光をあてる
・へもさを通して時代の変化の矛先をとらえる

という主旨のもと、2008年頃から毎年実施するアワードで、
本年が5回目か6回目となります。


「へもい・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされたのは、
小宮山さん、春昆布さん、なおさんの3名でした。
選考委員の椎名氏は、
2014年の「へもい・オブ・ザ・イヤー」について、
次のように述べました。
「例年だと、この人しかいないだろうというような
だれもが納得する"へもい"人がいるものですが、
今年は全体的に、へもさが小粒な印象でした。
小粒といっても決して悲観しているのではなく、
いまは土の中でへもさを吸収して、力を蓄えているイメージ。
来年は大きなへもい花を咲かせることを期待しています。」


そして、「へもい・オブ・ザ・イヤー」大賞に選ばれたのは、


リタさん


でした。年間を通して、バランスのよいへもさが出ていたことが、
選ばれた理由です。4年連続でノミネートされている小宮山さんは、
へもさが熟成されすぎて、ちょっとやそっとのことでは、
へもさに新規性を打ち出せなくなってきているのが厳しいところ。
へもさに手を広げすぎてしまったベテランの葛藤が見え隠れしました。
荒々しいへもさが持ち味の春昆布さんは、
へもさを突き抜けた世界観を提示してはいるものの、
実用性の面から待ったがかかり、もう1年様子を見てからでもいいのでは、
という声があり見送りとなりました。
なおさんは、「へもい・オブ・ザ・イヤー」殿堂入りの
YUさんの王道ハードワーク系のへもさを部分的に援用しながら、
独自のサブカル的へもさを軸に据え、抜群の安定感を発揮しました。
しかしながら、「へもい・オブ・ザ・イヤー」の持つ
新人賞的な意味合いを考慮すると、今年は、
やはりリタさんが最適だろうという結論になりました。


http://instagram.com/p/kR8ZxxCwun/
へもいっ子クラブ代表の椎名氏は、
2月に開かれたイガラシイッセイ氏の結婚パーティの余興で
エクストリーム漫談(「エクストリームだろぅ〜」と言う)
をやろうとして衣装を揃えたものの、結局やりませんでした。

振り返り

1年を振り返る時期になった。今年もいろいろあった。
エクストリーム出社の本が発売されたのは1月だったのだな。
雑誌やラジオに出してもらったりして人の輪が広がった。
7月から9月はエクストリーム出社の番組「イカナイバネ」が
北海道のHTBさんで放送されて、これもうれしかった。
旅行は北海道へ行ったり、富士山の頂上まで行ったり、
今治からしまなみ海道をサイクリングして尾道まで行った。
経営学者の三宅秀道先生にお声がけいただいて、
川崎の商品開発研究会に参加できたのもよかった。
文学フリマに5月と11月に出店した。小説を2つ書いた。
どちらもこれまでのとだいぶ違うものになったけど、
なんとなく自分のやり方がわかったような気がした。
映画をけっこう見た。本も読んだ。
前半は動いて、後半はじっとしていた。


今年はとくに後半から内面が充実していった感じがした。
自分でいうのもあれだけど、いい感じになってきた気がする。
ぼくのいろいろな面での固さと、その出どころや、その反動、
抑圧や、認知のゆがみや、宇宙のバランスなど、
なるほどと気づくことが多く、自由になってきた気がする。
それでもまだまだ、治らないところは折り合いをつけて、
整体みたいに、整えておくべきところはたくさんある。
あと、なにかつくりたいと思った。自由になった上で、
なにかつくりたい。小説を書くとか、ゲームを作るとか、
新しい遊びを考えるとかしたい。すぐにはできないことを、
じっくり時間をかけてうまくできるようにして、
いいものをつくりたい。そのプロセスで、
より自分を知って、より自由になり、楽しくすごせるような、
おもしろいと思えることを地道にやりつづけたい。


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今年最後の人狼合宿12月19・20日(朝日さん撮影)

年末年始のNHKの番組で、見たいと思ったもの一覧

12/24(水)

[総合] 後7:30~8:43
NHK 自然 Nature」こんにちは!動物の赤ちゃん2014



12/25(木)

[BSプレミアム]後9:00~10:00
世界で一番美しい瞬間(とき)クリスマス・スペシャル



12/27(土)

[総合] 後5:00~6:00


[BSプレミアム]後7:30~8:59/ 後編は翌日の後9:00~9:59
ザ・プレミアム 「星の生まれる海へ~中国・黄河源流への旅~」


[BSプレミアム]27日深夜0;25~1:25

12/29(月)

BSプレミアム] 後9:00~10:30
壇蜜 ネパール 死とエロスの旅


BSプレミアム]深夜0:00~
岩合光昭の世界ネコ歩き」朝まで世界ネコ歩き



12/30(火)

BSプレミアム] 後10:00~11:00
はっぴいえんど「風街ろまん」



1/3(土)

[総合] 後7:30~



1/6(火)

[総合] 後8:00~8:43

『インターネット的』を読んだ。散歩した。撮りためてた番組を見た。

前回の日記、まだ10月までしか書いていなかった。
11月もいろいろあって楽しく生活できたと思う。


ところで、『インターネット的』という本を読んだ。

インターネット的 (PHP文庫)

インターネット的 (PHP文庫)

糸井重里さんが10年以上前に書いた本。
それが今年11月に文庫化された。
インターネットによって世の中はこうなるのではということが、
「ほぼ日」をやって肌で感じて見えてきたことをベースに、
とてもフラットに書かれている。10年前に発行されたとき、
この本はあまり読まれなかったらしい。それは、
本の最後に新しく追加された「続・インターネット的」によると、

大きな理由のひとつは明らかです。この本には
「インターネットは儲かるぞ」って書かれていないのです。

たしかに本に書かれていることは、
気が短くて早く儲けたい人にとっては、
もどかしい気持ちになっただろうなと思う。
生き方や、人間観や、心がまえとかが中心に書かれていて、
それをまずはしっかりしていかないと、

ビジネスは「利益のため」だけの戦争になってしまいますし、
作品は「当てる」ためだけのものになってしまいます。

とあるから。本を売るためだったら、あの糸井さんなのだから、
当てようと思えば当てることができたと思うのだけど、
そんなことはしない。そんなことしていてはよくないぞ、
ということがここに書かれていて、その通りにしている。
で10年たって、そのことが「ほぼ日」で見事に実証されて、
世間では「いまの時代が予見されている」とか、
「ぜんぶ、ここに書いてあるじゃないか」と、
いまになって再評価されているそうだ。


10年前にインターネットについて書かれた多くの本は、
ぱっと売れたかもしれないけど、いまでは古臭くなっている。
ITの先端であっちだこっちだと走り回っている人たちの間を、
ほとんど脇目も振らずに、「ウサギとカメ」のカメみたいに歩んで、
みんなのお手本みたいなところに達しているのに感動してしまった。
(2012年には独自性のある事業で成功している企業に贈られる
ポーター賞」を受賞している。ほぼ日刊イトイ新聞 - ほぼ日ニュース
ほんとそういうことなんだろうなと思う。


この頃よく感じるのは、
早く儲けたいインターネット的でない人たちが、
この「インターネット的」なことがカネになると、
流行りに飛びつくような風潮というか、そういうのがあると思う。
その流れはいいこともたくさん生むと思うけど、
やっぱり長くはもたない気がする。

ぼくは「伝えるために」日々を過ごしているわけではないわけで。
なにをする、なにをしている、どうしようとしている、
どういう場面にいる……伝えるのは後回しにして、
感じたり思ったり考えたり動いたりしています。
その過程そのものが、「伝えたいこと」だと思っています

というところに、とてもぐっときたのだった。
生きることが伝えることになっているというか、
「消費のクリエイティブ」というキーワードが出てくるのだけど、
お金や時間を創造的に使うこと、遊んで楽しむこと、
よい環境にいること、よい気持ちでいること、
豊かに感じて考えて、それがよい物事を生むことにつながる。
こうやって地道にブレずに、長く自然にやっていくことが、
自分にも、自分以外にもいいんだろうなと思った。



土曜は、近所の友人のオカンダと散歩した。
自宅から半径5キロも出ていないところを歩きまわった。
どっちへ進路をとるかの基準は、
行ったことない、行かなさそう、おもしろそうな方を選ぶ。
http://instagram.com/p/wQbMWCCwlX/
結果、こんな道も通った。行き止まりは意外と少なく、
引き返したのは2回ほどだった。駅で言うと2駅分くらいの距離で、
区も跨いでない完全な地元なのに、知らない道だらけ。
いきなり小学生の頃に自転車で数回だけ通った道に出たりする。
20年くらい前の感覚が浮かんできて揺さぶられる。
旅とかの移動には時間と空間の要素があると思う。
空間的にはたいしたことないのだけど、時間的に大移動すると、
思えば遠くへ来たもんだ的な気分になる。
移動して場所的に遠くへ来たことが、
ノスタルジーを引き起こすこともある。おもしろい。
断片的に覚えているポイントとポイントが、
ふいにつながると「おお、ここにつながるのか」と感動する。
シナプスがつながるみたいな感覚。本能的なうれしさがある。
ラストは互いの家から徒歩10分ほどのところにある
うどん屋に入って、鍋焼きうどんを食べた。
ぼくは高校のとき毎日この店の前を通っていた。
入ったのは30代になってから。瓶ビールを飲む。


家に帰って、撮りためていたテレビを見た。
「地球イチバン~世界一服にお金をかける男たち」
「プロフェッショナル仕事の流儀~高倉健スペシャル」
浦沢直樹の漫勉」
どれもおもしろかった。

「地球イチバン」はサップという
コンゴに昔からあるファッション文化と、
サプール(サップをするひとたち)の特集だった。
コンゴのひとたちの平均的な月収は3万円で、
サプールはその半分以上を服につぎ込んでいる
(サプールは職業じゃなくて、ふだんは普通に働いている)。
服はブランド物で普通に10万円とかする。
各地域で代表みたいなサプールがいて、
彼らが集まってお祭りみたいなことをしている。
サプールは街のヒーローで、子どもたちの憧れでもある。
ファッションにはお金が必要なのでサプールたちはまじめに働く。
貧しいけど着飾ることで意識が変わり、誇りを持つようになる。
ケンカ早かった男が、サプールになってから、
落ち着きのある紳士になったりしている。
意識が変わると、人へ及ぼす影響が変わる。
影響を受けた人たちから及ぼされる影響で本人も変わる。
よい循環が生まれているという内容だった。
これも「消費のクリエイティブ」だなあと思った。


浦沢直樹の漫勉」は、漫画家の浦沢直樹さんが、
漫画を描いている過程をカメラで記録して見せてくれるもので、
へええ、こうやって描いてるのかと思った。
浦沢直樹さんの他に、かわぐちかいじさん、山下和美さんの
漫画を書く過程もものすごく接近して見ることができた。


番組を見おわって、
深夜2時にシャーペンで絵を描きたくなって、
amazonで検索をしたのだけど、
そういえばあったかもと家の中をさがしたら、
むかし祖父が使っていたものが何本も出てきた。
芯もあった。0.5mmのBが使いたいと思っていたら、
それもあったし、amazonで買おうと思ってたものもあった。
http://instagram.com/p/wRqCNICwi-/
祖父は亡くなる手前まで、
ほぼ毎日、製図台に向かって仕事をしていた。
仕事をすることが生きることのような人だった。
このシャーペンは図面を書くときに使ってたもので、
祖父の仕事部屋から父が持って帰ってきたのだった。
これ、おじいさんが握ってたんだなと思った。




また、11月の日記書けなかった。