小説集『突き抜け』のご購入はこちらから。



全然違う

自分で作って飲むハイボールがいちばんうまい。
毎晩、自宅でうすいやつを1杯飲んで寝てます。


居酒屋「よし」の「へもいハイボール」なのですが、
店のおばさんが作り方を間違えて出していたため、
飲んだ人たちから「味がしない」とか
「いまいち」というご意見を頂きまして、
実際に飲んでみたら、


全然違うものになってました。


それはそれで、"へもい"の極みだと思ったのと同時に、
マニュアル化の重要性を痛感しました。マクドナルドはすごい。


「どうしてウイスキーでなくて、焼酎にしたのですか」
と、おばさんに聞いたら、
「あたし、ウイスキー苦手なのよ」


と、なるほど、それなら仕方ないと思いました。
割り方も間違っていたようで、僕が作って見せると、


「ああ、どうりで……」


と呟いていたのですが、
何のどうりなのかよく分かりませんでした。


しかしながら、僕がいないときに、
「へもいハイボール」が出ることは
そうそうなさそうなので、"僕が作ればいい"のだと思いましたが、
そうなっては、僕の当初の欲望であった


「会社近くでうまいハイボールを出してくれる店が欲しい」


というのは消え、代わりに、


「会社近くでうまいハイボールを自作できる環境が整った」


というだけになるのでして、
結局自分で作るのかと、
まさに「へもいハイボール」だなと、思ったのです。