片道30分

なんだかふいに気持ちがわるくなって、
飲み会へ行かずに帰ってしまいました。
「行きます」と言ってすみませんでした。


以前、引越しをしようとしてやめたのは、
父が単身赴任することが決まって、
家を広く静かに使えるから引っ越さなくていいやと思ったからなのですが、
その父の単身赴任が何かのトラブルで打切りになって、
家に戻ってきてしまって、とても騒がしいので
(父は頭に浮かんだことを全部口に出すタイプなのです)、
これにはまいってしまい、再び引越しを考えるようになりました。


緑が豊富で、心が折れた人が療養に訪れるようなのどかさ。
日陰の石畳が静かに湿り、昼は太陽の光に溢れ、
朝・夕は薄く霧がかかって、
提灯や石灯籠の明かりがぼんやりと浮かび、
木造、趣のある二階建ての二階。畳と木の香り。
障子を開け放って、浴衣を着て窓に腰掛け、
うまい肴とハイボール。水は井戸水、近くに温泉。
そして、


目黒まで片道30分。