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足をそろえて着地

明け方ごろ、布団で寝てたのですが、
シュタタタタタタという足音が廊下を通って近づいてきて、
それが僕の枕元1メートル前あたりで小さくジャンプして、
頭の真横に、ピタッと足をそろえて着地したのです。


たまに妹が小走りで僕の部屋まで来るので、
「妹か、なんだ」と思ったのですが、いやいくらなんでも明け方だし、
部屋のドアは閉めてあるのに、開けた様子もなく走ってきたし、
と考えたら、


「じゃあ、何なんだよ、この横に立ってる奴!」


と、怖くて目を開けれないまま考えていたら、
いつの間にか眠っていました。


という話を夕食の席でしたら、
父も明け方に、シュタタタタタタという子供のような足音を聞いたと言うのです。
下の階の人の足音じゃないかとも考えたそうですが、
その割にはしっかり聞こえたそうなので、僕が聞いたのと同じかもしれないです。
そうしたら母が「そういえば、昨日、炊飯器の釜を洗ってたとき、
釜の水を捨てるのが重いなあと思っていたら、
誰かが手で釜を下から押し上げた感じがして驚いた」と言い、
妹は昨晩、浴室から「呼んだ?」と、誰も呼んでないのに聞き返していたので、
家に見えない誰かが居たんじゃないの、と思いました。


結論として「座敷わらしが来たのではないか」ということになりましたが、
あれは夢ですね。「そういえば……」なんて思い起こせば、
不思議なエピソードはいくらでも出てくるものです。
だから、気のせいだということにします。


しかし、去年は、ベランダの窓をコンコンとノックする音を、
全員で聞いて、風もないし倒れるものもないし、
7階だから子供のいたずらでもないので、その時も、
座敷わらしということで結論付けたのですが、よろしいでしょうか。




なんだか10連休で、社会との関わりが減っているためか、
宇宙だの座敷わらしだの、精神世界への傾きが大きいような気がします。
はやく仕事をしなくては。でも仕事になると、休みたくなるのです。