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高感度抜群ヘア

髪を切ってきました。
皆さんから頂いた「このヘアスタイルがいいのでは」という
メッセージやメールをもとに選考を重ね、
最終的に以下のふたつをプリントアウトして美容室へもって行きました。

  • 「好青年ウルフ」
  • 「好感度抜群ヘア」


ようするに「好感度抜群な好青年」になりたいということです。
「好青年ウルフ」はかんちゃんさん、
「好感度抜群ヘア」はYAMAさんが提案してくれました。
ありがとうございます。すがあざらしさんからは、


「『クセ毛風ボブ』ということで何卒宜しくお願い致します。」


というメッセージを頂きましたが、冗談だと思って、
却下させていただきました。


しかし、このモデルたちは、そろいもそろって美青年という点が、
不安になってくるのです。全部素敵に見えるので、
髪型だけを参考にするつもりで見ていたら、いつの間にか幻想を見せられ、
気付いたら、肥溜めに肩まで浸かっていたという事態にもなりかねないので、
細心の注意を払わなくてはなりません。


美容室に予約の電話をすると、店には、

  • スタイリスト
  • トップスタイリスト
  • ディレクター


という3段階の腕前の美容師がいるということを説明されました。
僕はもうこのとき、道場破りの気分でしたので、
この道場で最上級の腕前を持つという
「ディレクター」でお願いしますと伝えました。
できるなら、トップディレクター、日本代表、総司令官、宇宙大将軍、
それくらいの段階を要求したいくらいでした。


今日、美容室に入ると、見るからに「ディレクター」という風貌の
ディレクターが現れたので、プリントアウトした紙2枚を出して、
「どちらがいいでしょうか」と言いました
(すべて人任せなのは、自分のセンスを信用していないためです)。
すると「どちらも似合うと思いますよ」とおだてられて、
「ははははは」と単純にうれしくなった僕は、
「じゃ、これとこれで好感度抜群な好青年に、はい、もう完全にお任せします」
と言ってカットが始まりました。


ディレクターのハサミは、精密にサクサクと髪を切って落とし、
スタイリストのハサミの数倍切れ味がよさそうに白く光っていました。
切り終わると「色はどうしますか」となったので、
「お任せします」と言うと、ペタペタとパテみたいなのを髪全体に塗られ、
サランラップを被せられ、
「これが世に言う『カラーリング』というものなのか」
キャトルミューティレーション級に恐ろしくなりましたが、
待っている間、アメをくれたので恐怖のことは完全に忘れました。


洗い流して乾燥させ、ワックスでクシャクシャやると、
なんと「好感度抜群ヘア」の形になったではありませんか!
(好青年ウルフはどこへ行ったのか)
しかしとにかくすごい!さすがディレクター!店長!道場主!
しかし、なぜだろう、


全然、好感度が上がってない気がする。


髪を短く少し茶色く、くしゃくしゃにした僕でして、なんなのだろうか。
好感度抜群になるはずでは、とプリントアウトした用紙を見直したら、



高感度?


感度じゃない!!


「高感度」って写真のフィルムか!と思いましたが、
ああどうりで「好感度」の方が上がってこないわけだ、なるほど、
って、そういう問題じゃないことは、重々承知しております。


しかし、我ながらだいぶ変化したと思いました。
そして、ディレクターさんはすごいと思いました。
抜群に何かの感度が高いヘアで、気分一新やっていこうと思います。