全部ひっくるめて「自然」

風邪を引くか引かないかのラインを、
しばらく前からふらふらしていたのですが、
風邪サイドに倒れました。
前日に飲みすぎたというのもありますが、体調不良です。


NHKの「プロフェッショナル」で宮崎駿の回を見逃したと思ったら、
妹が録画してくれていました。
宮崎駿に3ヶ月間密着したという放送を見て感じたのは、
宮崎駿はすごく自然だということです。
番組の後半では、映画作りが始まってすごく不機嫌になっていました。


正直で本当のことを言っていると思いました。
映画の準備期間は、やりたいことをやって過ごして、
息子に対しての態度とか、番組のディレクターへの態度や、
なにより自分自身に対して、怒りも不安も焦りも不完全なところも、
全部ひっくるめて「自然」だと思いました。
これはこうしないといけないとかでなくて、
そうしたいから、そうしている。


この点が子供みたいで、論理を超えた作品を作るために
必要なことだと思いました。

何かを訴えたいとか、そういうテーマで作られるものは、つまらない。
テーマを簡単に抜き出せるものは、いかがわしい。

と言っていました。


たしかに、すごいものは、「なんなんだこれは」と思ったり、
宇宙に流れる圧倒的なエネルギーをそのまま、
現実にぶち上げたような説明不可能なものだと思います。
流れとか時間とかであって、形でないと思いました。


印象的だったのは、
イメージボードという映画のイメージを絵にするのですが、
映画作りの準備期間の終盤で、
やっと「本質」の絵が書けたと言っていたところです。
それまでに書いたたくさんのイメージは、「現象」なのだそうです。
何か観えているのだろうなと思いました。