そういうことだと確信することから、世界は変わる

表参道のスパイラルホールでやっている
「Refined Colors」というパフォーマンスを見てきました。
先日会ったPPPくんが教えてくれたので、一緒に見ました。


真っ白い床と壁で囲まれた空間。
目を引いたのは、舞台上に複数設置された発光ダイオードの照明装置で、
これらをノートPCで制御するのです。
そういう中で、3人の男女がダンスをするのです。


音はピーとかガーとかノイズのようなものや、
街の音、雨の音などがあり、ダンスはランダムなような、
規則性のあるような、不思議なものでした。
照明は、たくさんの色にゆっくり変化したり、激しくフラッシュしたり、
何なんだ、これは。という気持ちになりました。
全体的に意味不明。


でもなんか、おもしろいと感じました。
最初全然意味が分らないので、ボーっとしてきて、
焦点をずらして、半眼で空間を眺めたとき、
光と音とヒトの動きがひとつになって入ってきたのです。


光と音とヒトの動き、それぞれは意味を持っていないのですが、
全部合わせると、意味っぽいものができる。
例えば、青い光、雨の音、ゆっくり体をねじる動きが合わさると、
冷たい雨に濡れて艶めかしく光る木のような感じに見えました。


でもそれは僕の頭だけで、他のお客さんが見たら、
月夜に屋根を伝って落ちる細長く連続する水の粒とか、
そういう風に見ている人もいるのだろうな。抽象的だからどんな解釈もできる。
自分を癒したいなら、癒されるように見ればいいし、
駆り立てたいとか、悲しみにどっぷり浸かりたいとか、
好きにしていいのだ、と思いました。

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1時間のパフォーマンスが終わって、
パンフレットを読んだりしたのですが、ヒトは様々な波長の光を、
錐体という器官で「R(赤)」「G(緑)」「B(青)」として感知し、
その刺激の比率を色として各自で再構成している
ということを知りました。


今日のパフォーマンスはR・G・Bという視覚に関するルールを、
色・音・動きの、視覚・聴覚・触覚(?)にまで広げたものなのだと思いました。
五感が各自の世界を作る。その世界は、
今日のパフォーマンスと同様、見たいように見ていい。
だから、意識によって世界は変わる。


そういうことなのだろうな。
そういうことだと確信することから、世界は変わるのだろうな。

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RGBの刺激、光・音・動きの刺激、
それらから各自の世界ができて、それが別の世界への刺激になる。
分子レベルの小さなものから大きなものへ、その逆も。
何もかもが情報を経由させる端末。
経由して経由して、螺旋状に意味が美しく醜く広がっていく。


ニャー!!