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空気清浄機君

飲んで帰って起きた朝に、パジャマのまま居間に向かって行くと、
部屋の隅の方に空気清浄機が置いてあるのが見えました。


先日買った空気清浄機が届いて、
家人がセッティングしてくれていたのです。
「おお、来たんだ。ようこそ、空気清浄機君」
と僕が居間に侵入したときでした。


「ブウオーーーーーン!!」


と空気清浄機君が回転し始めました。
空気清浄機君には、「ほこり」と「におい」の
汚れを感知するセンサーがついていて、
それに応じた風量で、羽を回転させる機能がある。
ヨドバシカメラの店員さんから聞いていたのを思い出しました。


おそるおそる近づいて見てみると、
信号機のように3つのランプがあり、
「ほこり」が黄、「におい」はMAXの赤が点灯して、
風量も最大の「ターボ」になっていました。


「臭えってことか……」
空気清浄機君の手荒い自己紹介。さらに僕が近づいたことからか、
追い討ちをかけるように「ほこり」まで赤に。


「そんなに臭く汚れているのか?寝起きの私は!」


とパジャマ姿で叫ぶと、妹が背後に来ていて
「ええ、あんたの寝てた部屋から、
 ニンニクの臭いがすごい漂ってましたよ」
昨晩飲んだときの料理にニンニクが入っていたようです。
まいりました。



しかし、心なしか鼻の通りがよく、空気が新鮮な感じがしました。
どうもありがとう、空気清浄機君。
今後ともよろしくお願いします。