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本を読んで考えて、運動をした。

昨日はずっとビールを飲んで、本を読んで、
家から出なかったので、今日はジムへ行って運動をしました。



中村航先生の

『僕の好きな人が、よく眠れますように』を読み終えました。
すごいなあと思いました。
僕の好きな人が、よく眠れますように


内容は書いてしまうとあれなので、書きませんが、
最後は、僕はなんだか泣きそうになりました。


宇宙的な木戸さん、生活的な妹。
結婚という形式。世界とは。幸せとは。
笑ってしまうところと、いいなあというところと、
じたばたしそうになるところと、哲学的な気付きが、
たくさん含まれていて、とても楽しかったです。
ふいに、吉本隆明さんの詩を思い出しました。

おう きみの喪失の感覚は 全世界的なものだ
きみはその ちひさな腕で ひとりの女をではなく
ほんたうは屈辱に沈んだ風景を抱くことができるか


「宗教は民衆の阿片である」というマルクスの言葉を
さっき知ったのですが、「恋愛は民衆の阿片である」とも思いました。
小説の主人公は、彼女との間にある制約を強く感じたり、
彼女と離れたりすると、恋愛の力が弱まって、
木戸さんという真理を叫ぶ人のところに足が向きます。
木戸邸での出来事は、ちょっとした宗教体験。
恋愛も宗教もなくなると、リアルな世界が見えますが、
それを見て幸せなのか。ひとりで哀しみを背負えるのか。


「この世には、マグレと気まぐれしかねえんだよ。」


最後は自分で決めるしかない。


老若男女が楽しめて、さらに読者の状況によって、
いろんな見方ができるようになっているところが、
中村航先生のすごいところだと、思うのです。
普通の恋愛小説ではないのです。


おすすめです。