足湯に浸かった赤ちゃんの言葉。

この前、近所の露天風呂に行ったとき、
夜の10時頃だったのですが、
子供を連れた人が多かったです。


僕はのぼせかけて、湯船の縁に座って、
裏の竹やぶや夜空を眺めたり、ぼんやりしていたら、
赤ちゃんを連れたお父さんが入ってきました。
赤ちゃんは、普通のお風呂だと深すぎるので、
脇にある浅い足湯に入れてもらっていました。


それで、足湯の深さで肩の辺りまでお湯があって、
ちょうどよいお風呂になっていたのですが、


「さむい」


と赤ちゃんが呟いたので、
お父さんが「え、足湯は寒いのか?」と言って、
足湯に手を突っ込んでみたけど、お湯は温かかったので、
「寒くないじゃん。どこが寒いの?」
と聞いたら、




「かお」




と答えたので、
僕は傍で聞いていて、吹き出しそうになりました。
そりゃ、顔はお湯から出しているから寒いだろう。
しかし、顔をお湯に入れたままだと、
息ができないのだよ、赤ちゃんよ。
と思いました。


でも確かに、秋っぽくなって、
少し肌寒かったので、そう言う気持ちも分かりました。
というか、その方が正しいのではないか。
僕はいつの間に、お風呂に入るとき、
顔が寒いと思わなくなってしまったのだろう。
オトナたちは、そういうことを無意識のうちに処理して、
当然のこととして疑わなくなってしまっている。


赤ちゃんのような、
発想ができるようにしたいと思いました。