浅草に講談を聞きに行った。いろいろ食べた。

まいこもりすさんがチケットを取って下さって、
浅草に講談を聞きに行きました。


朝の一一時に雷門に集合。
まいこもりすさんと小宮山さんと合流。
イガラシイッセイ氏は所用で二時間遅れるとのことでので、
浅草を適当に散策しました。



年の瀬で仲見世はたいへんな賑わいでした。
浅草寺で煙を浴びて、お参りしました。
今年一年ありがとうございました。世界が平和でありますように。
お金がいっぱい手に入って、モテますように。


来年の運勢を占おうという話になって、
おみくじを引くと、小吉でした。
「まあまあでしょう」ということでした。
まいこもりすさんは「大吉」で、すべてうまくいき、
一方、小宮山さんは「凶」で、すべてうまくいかない。
という内容でした。小宮山さんは、ガビーンとなり、
一日中、凶を引き摺っていました。



その後、うまいきびだんごがあるというので、それを食べ、
揚げ饅頭が食べたいというので、それを食べ、
この人たちはよく食べるなあと思いました。



コートを、きな粉だらけにして、団子をほおばる二人。


浅草寺を出て、神社にもお参りして、
箱に入って眠っている白い猫を撫でたりしました。



その後、

昼食を取るために、かっぱ橋まで歩くことに。
そこに「かっぱステーキ」というものがあるそうです。
かっぱ橋までの間で、まいこもりすさんが、
「ここが、アニマル浜口行き付けの床屋です」
とか豆知識を披露してくれて、へええと思いました。
「アニマル浜口がいるか、ちょっと見てみましょう」
と、まいこもりすさんと小宮山さんが床屋の中を覗いて、
「今日はいないようですね」と言ってましたが、
そんなにいつもいるわけじゃないだろうと思いました。



(浅草公会堂前で、芸能人の手形に、手を重ねてみました。)


それから、小宮山さんがトイレに行きたいというので、
ちょうど横にあった建物に入ったら、
そこは、台東区生涯学習センターで、
池波正太郎記念文庫のある施設でした。
偶然にも、小宮山さんは日頃から


「理想の上司は、鬼の平蔵」


と公言しているほどの、大の鬼平犯科帳ファンで、
興奮して、江戸の古地図などを衝動買いしていました。
僕は「剣客商売」しか読んだことがないのですが、
四〇分ほど、池波正太郎氏の作品や、
仕事場を再現した展示を眺めて、とても興味深かったです。
一人の脳から、こんなにたくさんの言葉が生産されたのかと、
本に囲まれて圧倒的なものを感じました。



ようやく

かっぱ橋にきて、道具街を歩きました。ここには、
調理器具や食品サンプル、店先に出す看板や飾りなどが、
あちこちで、多種多様、大量に売られていました。
それらを見て歩いていくのが、おもしろかったです。
イガラシイッセイ氏が、ここでようやく合流しました。



それにしても、お腹が空いてきたのは、
食品サンプルとか、餃子絞り器や、中華鍋とかを
必要以上に眺めていたからだと思います。
しかし、かっぱステーキの店が見つからないので、
もう、どこでもいいやと思って周囲を探したら、
ちょうど、うまそうな店が目に入ったので、


「あそこで食べませんか?」



(この店)


と提案したら、


「しーなさん、あれは看板のお店ですよ」


と言われ、たしかにそうだ。と思いました。
空腹で判断力がなくなってきたこともありますが、
いかに人間が、装飾で判断しているかが分かりました。
赤提灯とか、電球とか見ると、焼き鳥とかラーメンの
イメージが反射的に浮かんでくるのですね。おそろしい。
そして、この街には、これだけ食品関係のものが
揃っていながら、一軒も食べ物屋がないのかと思うと、
SFの世界に入ったような気分になりました。



(UFOではない。)


結局、浅草染太郎という店で、お好み焼きを食べました。
ここは平日から行列ができる有名店らしく、
外国人観光客がたくさんいました。料理もうまかったです。
ところで、今日の講談は何時からなんですかと、
まいこもりすさんに聞くと、一九時ということでした。
この時が一五時で、まだまだ時間があるなと思って、
ビールと焼酎を飲みました。




それから、

店を出て、まいこもりすさんの観光案内で、
漫才協会の前で記念撮影。



こんな小さい事務所だったのかと思いました。
漫才協会主催の、漫才新人大賞の賞金が一〇万円
ということに深く納得しました(M−1の百分の一)。


アンヂェラスという喫茶店に入りました。
まいこもりすさんと小宮山さんはケーキを注文して、
さっきお好み焼き食べたばかりなのに、と思いつつ、
釣られて僕もショートケーキを食べました。うまい。



一八時に店を出て、演芸場まで行きました。
演芸場は、ごく普通のマンションの二階にありました。
新築みたいにきれいな舞台があり、三〇席くらいの
こじんまりとした、雰囲気のよい空間でした。


この日の出演者は、女性講談師の神田阿久鯉さんでした。
ネタは、年末ということで、前半は赤穂浪士で、
後半は泥棒の話でした。
前半は失礼ながら、少し寝てしまいました。
あちこち歩き回って疲れた上に、ビールを飲んだら、
こうなっても仕方ないと思いました。
後半は、前半で僕が寝ていたことを確認したからか、
阿久鯉さんが頻繁に僕の目を見ながら話をしていて、
それもありますが、ものすごい迫力で世界に引き込まれ、
情景が目に浮かぶようでした。本当によかったです。
そして、驚いたのは、ゲストに林家三平さんが出てきたことです。
落語については、あまり触れない方がよいかと思いました。


一時間半、濃密に楽むことができました。



この後、

小宮山さんが、小腹が空いたと言って、
四人で中華料理の店に入りました。
ここが量が多くて、うまくて、安いよい店で、
それなのに、客は僕らだけでした。




ここで満腹まで食べて、ビール三杯飲んで、
銀座線で新橋まで出て、横須賀線で帰りました。
よく遊んだ一日になりました。


まいこもりすさん、ありがとうございました。