おだやかな気持ちです。

最近はとても平和な気持ちになっております。
おのずと心の中で静かに手を合わせたくなるような。
そうなると、よくわかりませんが、靴が階段を踏む音、
街灯一本一本のあかり、鍵穴に鍵を差し込む感触、
すべてが生き生きと歌っているように感じ取れるのでした。
身の回りには、これほど豊かな情緒がすでにあったのだ、
特別な刺激はいらぬ、金も知名度もモテもいらぬ。
ただただ、人間として深く在りたい。そう強く祈って、
心を磨くことだけを考える日々であります。


まずは自分そのものが小我を手放して平和になること。
これだと思い至りました。さて、心を磨くとなると、
何をもってどう磨くかが大切になってまいります。
ある人は文学、ある人は数学、ある人は音楽、絵画、野球。
何かしらの道具を手に持つこと。そして、
直感と理性の極を振り子のように反復し、
繰り返し時間をかけて研鑽していくのでありましょう。
ただ闇雲に磨いていては寿命のうちに輝き出すかどうか。
別に輝かなくたっていいっちゃあ、いいですが、
おおまかな方向性をこれと決めて、確信を持って、
三十年くらい情熱を持って磨き続けたいものです。


続けることは好きでなくてはむつかしい、
むつかしいから楽しいというのもありましょうけど。
やってるうちに、道具が手足、血や細胞のようになってきて、
ますます楽しく、ますます確信を強めていくのでしょう。
で、いつの間にか途方もないところまで来ていて、
自分の宇宙ができあがっている。
人間とは何か。自分なりに追究していきたいものです。