金曜日と土曜日のこと。瓜ボーズのライブを観た。

金曜日の夜、牡蠣と魚の店で刺身を食べて
ビールを一杯と日本酒を二人で一合飲んだ。
獺祭という山口県のお酒。うまかった。

土曜日の昼

高田馬場の成蔵というとんかつ屋へ行った。

特ロースかつ定食を食べた。
二千円したけど値段と釣り合う美味さだった。
分厚いとんかつを見詰めていると脳内麻薬が出る。
かじると瑞々しく、「ジューシー」などと在り来たりな言葉では
表したくないくらい、ジュージューシー!であった。
馬場にはもうひとつとんかつの名店があり、とん太という。
とん太の方が歴史があり、この二店が双璧を成している。


その後にカフェに入り、小説を読んだ。
『スウィート・ヒアアフター』(よしもとばなな)。
この本を貸してくれたひのじさんは、隣で小説を書いていた。

スウィート・ヒアアフター

スウィート・ヒアアフター

読んでいると何度もやさしさに涙が出そうになった。
読みつつ思い出したのは『奇跡の脳』(ジル・ボルト・テイラー)。
三十七歳で脳卒中に襲われた著者(神経解剖学者)が、
左脳の機能がダメになったところから回復するまでを、
自らの言葉で綴った本当にあった話。
この本の中に「宇宙との一体化」という体験が出てくるのですが、
『スウィート・ヒアアフター』にも描かれている不思議体験と、
その後の、生きてるだけで奇跡でしあわせという悟りに、
どちらも至るところに、人間の深いところには
ポジティブなエネルギーがあるのだなと思った。
そして、よしもとばななさんはずば抜けた感性と技術で、
その本質を宇宙を生々しく紙の上に写せる人なのだと思った。



土曜日の夜

猪瀬さんが主宰している歌劇団「瓜ボーズ」のライブを観に、
渋谷の道玄坂カフェへ。渋谷は何回行っても慣れない。
と思っていたけど、少し慣れた気がしないでもない。


瓜ボーズのライブを観たことがない人に、
ライブがどのようなものなのかを説明するのはむつかしい。
主に僕より少し年上の男女があやうい衣装で寸劇をし、
カラフルな照明が輝くステージ上を所狭しと乱舞し、
前回はシゲさんが血まみれになり、
今回は細切れの蕎麦が飛び散り、
最前列は汗とよだれ臭く、


これは一体誰が得をするのだ!?


と混乱しながら思うのですが、
二時間半後のラストには得体の知れない感動がやってきて、
おもしろかったなあと思う。
出演者も観客もみんな友達というのもあるかもしれませんが、
満員の五十人(?)が一体となり温かい雰囲気で、
ところどころへもく、盛り上がって、刺激になった。
前に瓜ボーズに入りたいですと話していたのですが、
毎回レベルアップして敷居が越えられなくなりました。



(左の全身が赤い人はイッセイ氏です。
写真撮影はYUさん。使わせていただきました。)


夜遅かったので、打ち上げには出ずに帰ったのですが、
帰ってからも瓜ボーズのライブのことを考え続けていた。
しかし、解釈を拒むようにチカチカと彼らは輝き続け、
わからず、神経が高ぶったまま寝付けなかったのですが、
三時過ぎに疲れて眠っていました。


そして、うなされました。
怖い夢を三つ見ました。覚えているのはひとつだけ。
イガラシイッセイさんと僕とひのじさんの三人で
ファミレスに行った夢でした。
全員オムライスとコーヒーを注文したのですが、
ひのじさんが「裏技がある」と言って、
コーヒーをひとり分の代金で三つ頼んだのでした。
で、イッセイさんと僕が、
「へええ、そういうことできるんですね」
と感心していたら、実はそれが違法で、
三人とも逮捕された夢でした。


この夢が瓜ボーズと関係あるのかは分かりませんが、
ライブ直後にうなされてこれを見たということは、
何かのヒントかもしれないと思いました。
また瓜ボーズを見たい。あと僕も何かやりたい。