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土日のこと。前歯を治して髪を切り凧をあげた。

土曜の午前中に歯医者へ行った。五年ぶりかな。
歯石をとってもらったのだけど、
一回では取りきれないから来週も来るように言われた。
そしてもうひとつお願いしたことがあって、
前歯が少し欠けていたのだけど、
それを平らにしてもらったのだ。


ぼくの前歯が欠けていることには、
きっとだれも気づいていなかったと思う。
だけど舌で歯の先を触るとやっぱり欠けている。
その小さな前歯の欠けは、ぼくの精神に、
大きな引け目を感じさせるのに充分だった。
なにしろ前歯が欠けているのだ。
美容室へ行ってシャンプーするために仰向けになる。
目の上に紙がのせられる。そして美容師さんと会話する。
そのときぼくは口だけが見られている。
欠けた歯が見られているという気がする。
そうすると前歯が欠けた者として分相応の
会話しかできなくなるのだった。まいってしまう。
それから笑うとき。素直にまっすぐ笑えない。
どうしても笑い方が卑屈になるのだった。


五年間放置されたその前歯の欠けが、
ものの三分ほどで、研磨されて平らになったのだった。
しかもなぜかぼくの左の前歯(今回磨いた方)は、
右の前歯より少し長かったので、
磨かれて長さがピッタリになったとのこと。
神の存在を信じないわけにはいかなかった。

そのあと、

東戸塚まで移動していつもの美容室へ行った。
アイドルの写真をiPhoneに入れて見せて、
「こういう感じにしてください」
と伝えて、髪型はそういう風になった。
それから担当してくださっているSさんには、
いつもためになったり刺激になるお話をもらえて、
それも今回の大きな収穫になった。


前歯がきれいになったので、
シャンプー時に堂々と話をすることができた。
頭がさっぱりして、より気分がよくなった。
その後、下北沢に行って文芸漫談を観た。
そのことについては、昨日のうちに忘れないように、
昨日の日記に書いておいた。
文芸漫談で取り上げた作品は『暗夜行路』。
爆笑シーンはもちろん、


「豊年だ!豊年だ!」


のシーン。前歯が欠けていなかったので、
屈託なく笑うことができた。爆笑であった。
そうだ、漫談前に古本屋を廻って二冊買ったのだった。

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

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文学ノート―付=15篇 (1974年)

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amazonの古本で買うと上のが649円、下のが50円。
それぞれに送料250円がかかるので、計1199円かかる。
今回は上のが400円、下のが50円だったので、
749円得した。下北沢までの往復交通費が820円なので、
なかなか健闘したと言える。ある街まで出かけたら、
そこまでの交通費を、その地域の古本屋をまわって、
得した分でカバーする遊びをしている。


家に帰ってから、レンタルしていた映画。
「マン・オン・ザ・ムーン」を観た。
前にも観て感動したのだけど、また感動した。

日曜は昼から凧をあげた。

二子玉川から十五分ほど多摩川沿いに歩いた
「ブタ公園」という広場。
凧あげは、ののほさんが提案してくださって、
ちょうどののほさんと遊びたかったのでよかった。
もちろん、ののほさんとこのねむちゃん・はなちゃんも。
そして凧といえば小宮山さん。イッセイさん。
それからla takeさんも来てすごくたのしかった。


すごい寒いなかでお弁当を食べた。
ピクニックはぼくら以外にだれもいなかった。寒いから。


寒さでテンションが下がりきっていたのだけど、
凧をあげるために走ったら、テンション急上昇。
凧は大きな西洋の凧。パワーが全然違った。
本当はこの大きな凧の糸にカメラを付けて、
空中から地上を撮影するようすを
Ustreamで生放送しようとしていたのだけど、
風が足りず浮力が得られずにカメラを付けるのは断念。
ちょっと残念だった。


それにしても子どもたち(小一、幼稚園)のエネルギーは、
すさまじくて、五時間ずっと走り回っていた。


五時間も寒いところで遊んで、
駅前のビルのイタリア料理店でホットココア。
ピザを食べて歓談した。とてもためになることだった。
ぼくらがやろうとしていることと、年齢との関係。
どのように生きるかなどについて。
摂理にのっとって明るく積み重ねていくこと。
他者を気にせずにまず自分が楽しく生きること。
小宮山さんが、la takeさんの話にとても感心していた。
la takeさんの考えることや感情についてのお話を聞くと、
すごくぼくと同じで共感しておそろしくなる。
でもその同じ感じの人が、
こうした方がいいというようなことを言っていて、
ぼくもそのようなことを考えていて、
ああそれでいいんだと自分を肯定することができた。
それがよいのかはわからないけど、きっといいのだと思った。


この土日はたくさん笑って話して聞いて遊んで走って
ためになって心が満たされて、よかった。
引き続き、この調子でいこうと思う。