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文芸漫談を観てきた。スティル・ライフを読んだ。すごい豆まきをしてきた。猫のトレーナー。

生活

おととい春っぽいと思ったら、今朝は氷が張るほど寒く、
部屋のMacBook Airのアルミの上で、練って作るタイプの
アイスクリームができるんじゃないかと思うほどだった。
神経が身体の表面に満遍なく行ってしまうからか、
心の方が手薄になって、胸がやけにひりひりした。


風邪の予防にマスクをしている。
マスクをしていると、頭がぼんやりして緊張がゆるむ。
そうすると、少しリラックスして話ができる気がする。
顔が半分隠れているのもいいみたい。職場で、
箱をかぶって仕事ができるようになればいいなと思った。

1月31日(金)

会社帰りに、下北沢の北沢タウンホール。
文芸漫談を観に行った。入場はあとの方だったのに、
最前列に座れた。いつも最前列が空いてることが多い。
毎回ひとつの文学作品について、小説家の奥泉光さんがボケて、
いとうせいこうさんがツッコむというスタイルで、
げらげら笑えるうえに、たいへん勉強になる。
今回は織田作之助の『夫婦善哉』がテーマで、
小説自体が愉快なので、とくに笑いがたくさんあった。


お蝶が稼いだお金を一晩で使ってしまう柳吉はパーソナリティ障害で、
お蝶との共依存関係で、出口なんてないんだから別れた方がいい!
と、いとうせいこうさんが力説していた。たしかにと思った。
作品の背景として、当時の主流になっていた心境的私小説への批判と、
可能性の文学」という考えが、織田作之助の中にあって、
書かれているということが、わかった。なんとなく。
それと、『夫婦善哉』の他に『六白金星』についても取り上げて、
爆笑のうちに、織田作之助のすごさがよく伝わってきたのだった。


文芸っておもしろいなあと、ほくほくした気持ちで帰った。
小説を読んで、おもしろいと思っても、
おもしろいと思った理由を意識できないと、もやもやする。
文芸漫談を聞くと、その理由がハッキリわかる。
わかったら、それはすでに一種の「あるあるネタ」であり、
読んだ人たちだけにわかる「内輪ネタ」になっているから、
余計におかしさが爆発するのではと思った。

小説の聖典(バイブル) ---漫談で読む文学入門 (河出文庫)

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2月2日(日)

土曜日は天気がわるかった。ような気がする。
家の中で読書をして、電気じゅうたんの上で昼寝をして、
また読書をして、昼寝をして、夜にジムで運動した。
日曜日も同じようにしてすごした。
池澤夏樹の『スティル・ライフ』を読んだ。

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

とてもおもしろかった。

 外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。
 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
 たとえば、星を見るとかして。

 二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
 水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
 星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果が上がるだろう。

はじめのところに出てくる、この文章で、
さっそく心が溶けそうになった。とろとろのまま、
宇宙、アルバイト、バー、雨崎、料理、山の写真など、
つながるようなつながらないような、現実のような夢のような、
美しいエピソードがばらばら出てきて、まさに星みたいだと思った。
星と星をつないで、動物とか道具とかのイメージを作るのは、
ぼくらの中の第二の世界で、外には世界がある。
その呼応と調和が取れれば楽になるというところに、
なるほどなあと感じたのと同時に、その切実なところと、
星のように遠くて、永遠に手が届かないところに、
胸がきゅーっとなったのだった。


夜に横浜へ出て、ともさんと飲んだ。
おでんと日本酒がうまい店だった。
飛露喜と九平次と、あと何を飲んだか忘れたけど、
どれもうまくて、飲みすぎた。
いろんな話ができて、とても楽しかった。

2月3日(月)

すこし二日酔い。節分。
昼ごろにkasahiさんからメッセージ。
「『すごい豆まき』に行きませんか」というお誘い。
すごい豆まきというのは、その名の通りすごい豆まきで、
東京タワーのふもとのスタジオを貸し切って、
合計1.5トンの豆を、700人でまきまくるというイベント。
前々から一度行ってみたいと思っていたので、
行きます!と返事をした。


定時退社をして赤羽橋から東京タワーへ。
入口には鬼のコスプレをした人たちが列をなしていて、
ちょっと恐いと思った。鬼だし。
開始時間はずいぶん遅れて、入場すると2キロの豆と、
目を保護するためのゴーグルの入った紙袋を手渡される。
会場はすでに豆くさい。


すぐに豆合戦みたいにぶつけあうのかと思っていたら、
豆を投げていいタイミングが厳密に決まっていて、
豆まきタイムになったら投げてよいということだった。
「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で、
何度か見たことのある芸人さんが出てきて、
モノマネをしたら、豆まきタイムで、
芸人さんに豆をぶつけまくった。
その後は、社長鬼、キャバ嬢鬼、コスプレ鬼など、
いろんな鬼が出てきては、豆まきタイム。
最後は、これまで登場した鬼と会場中が、
豆をぶつけ合っての大騒ぎ。盛り上がった。

マンガの集中線みたいになってるのが豆。
http://instagram.com/p/j9OMR_iwoo/
爆音とカラフルなライトのもとで豆合戦。
まるで狂ったムクドリの大群のように豆がうねる。
http://instagram.com/p/j9O03BCwpc/
豆が顔に当たると痛い。肌の露出の多い鬼は、
全身がまだら模様になっていた。あと、豆で滑る人も。
ちなみに、豆は食用には適さない豆で、
使用後は堆肥として使用するとのこと。
不真面目なようでいて、真面目。
あと、バブルの香りがした。

2月4日(火)

朝、会社の用事で築地市場まで行った。
お昼に、築地の定食屋さんに連れて行ってもらい、
刺身定食と迷ったけど、焼鯖定食を食べた。
身がやわらかく、脂がひたひたにのっている。
魚の脂には、脳に直接うったえてくるものがある。
お新香と味噌汁と合わせて、たいへんうまかった。
男子が行くと、ご飯にタラコをのせてくれるんですよと、
一緒に行った方に教えていただいた。
あと、ご飯もどんぶりになったし、すごいサービス。
楽しかった。


昼に会社にもどって働いて、夜、汐留へ。
エクストリーム出社関係で雑誌の取材を受けに行った。
カバンの中を見てみたいというような特集で、
エクストリーム出社をする男のカバンを見せた。
なごやかに、たくさんお話しして、こちらも楽しかった。


1日よく動いたと静かに充実した気持ちになって、
家に帰ったら、注文していたトレーナーが届いていた。
妹に写真を撮ってもらって、Twitterに出したところ、
いろんな反応があった。
http://instagram.com/p/j_wPWsCwsB/
似合う・似合わないじゃないんだ。着たい! と思ったら着る。
それだけなんだ。
フォロワーが少し減った気がする。


早めに寝た。