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神奈川近代文学館へ行ったり、商品開発研究会へ行ったりして、おもしろかった。

生活

どうも眠いというか、会社へ行って帰ってくるだけで、
とくに忙しくもないのに、へとへとになってしまう。

6月1日

おのしゅうさんが暇そうだったので、
というかぼくも暇だったので連絡をして出かけた。
馬車道にあるおすすめのスープカレーの店へ案内して、
ビール中瓶を半分ずつ。スープカレーは安定してうまい。


そのあと、神奈川近代文学館へ。
装幀家の菊地信義氏が手がけた本の展覧会。
http://instagram.com/p/osY8kJiwhL/
50人の作家の本が、作家の言葉とともに展示されていて、
どれもこれもよかった。本がそれぞれ佇んでいた。

装丁者の仕事とは、作家によって書かれた作品を、
本という物にする際、その箱、カバー、表紙、見返し、
トビラまでの装と形ちを考案する事にある。

依頼された作品ごとに、作品の内から装を考え、
その考えを来たるべき読者の目で、
読者の手の内で形にしようと心がけて来た。
(菊地信義「手の内で」より)

本を実際に手に取って鑑賞できるコーナーがあって、
カバーを外したり触ったり間近で見たりできて、
そこがとてもよかった。
本の内から立ち上がってきたエネルギーが
結晶になったような感じ。
澁澤龍彦の『高丘親王航海記』は好きな小説で、
文庫でしか読んでいなかったのだけど、
初めてケースに入った単行本を見ることができた。
ケースはつるっとした白で、本を取り出すと、
すべすべした金色の布カバー。表紙を開くと、
真っ赤なページに親王が旅した地図があって、
世界観そのままだと感動した。
http://instagram.com/p/oyNJ7ZCwpq/
常設展もひと通り見た。夏目漱石や芥川龍之介や
川端康成の直筆の原稿を見たりした。よかった。
そのあと野毛で飲む。小宮山さん、YUさんが合流。

6月2日

経営学者の三宅秀道先生がコーディネーターをされている
商品開発研究会へ呼んでいただいて、参加したのだった。
三宅先生とのつながりはすごい偶然だった。
昨年の9月にほぼ日刊イトイ新聞で、
三宅先生と糸井重里さんの対談があって、
それがものすごくおもしろかったのだった。
対談では、ある商品が中心となって文化ができることや、
逆に商品の開発を文化や環境から考えるという視点など、
なんとなく感じていながらも、はっきりしなかったことが、
ズバッと示されていて、そうだそうだと興奮したのだった。
そして、多くの企業が売れないものを次々出して、
繰り返し失敗するのはまさにこういった視点が
欠けているからだと、胸がすくような思いがしたのだった。
未来の「はたらく」、見えるかな。 - ほぼ日刊イトイ新聞


それで、三宅先生の本を読みたいと思って、
『新しい市場のつくりかた』をすぐに買って読んだ。

新しい市場のつくりかた

新しい市場のつくりかた

これも超おもしろくて、この時期お酒を飲んだら、
この話ばかりして、あまやんさんも本を買っていた。
例として取り上げられている中小企業のエピソードも
楽しいのだけど、やはり根源的なところがすごくて、
潜在ニーズではなくヒューマニティとか、
思想・哲学から始まるところが独創的でグッときて、
と、ツイッターに書いたところ、
なんと三宅先生からリプライがあり、
さらに驚いたことに、三宅先生は、
リアル桃鉄」をとても気に入ってくださっていて、
しーなねこのブログも前から読んでくださっていて、
Kindleで出して一部のコアなしーなねこファンにしか
売れなかった『よりぬきしーなねこ』まで、
読んでくださっていたので、おどろきのあまり、
イスから転げ落ちそうになったのだった。
よりぬき しーなねこ

よりぬき しーなねこ

それからエクストリーム出社が本格的に盛り上がって、
その間も『新しい市場のつくりかた』に書いてあることを、
定期的に参照して、なるほどなあと思っていたのだった。
リアル桃鉄もだけど、既存の鉄道インフラや、日常の通勤という、
当たり前になっているモノや行為への視点を変えることで、
鉄道がゲームボードになったり、通勤がスポーツになる。
そこにルールを乗せて、遊んだりリフレッシュしたりして楽しむと、
これまでのモノの意味が拡張されて新しい価値が生まれる。
たくさん実践して見せて、人々の心の中の矛盾を解放していけば、
ブームから文化に近づいていけるのではと思ったのだった。


で、なんの話でしたっけ。
そうだ、三宅先生に呼んでいただいて、
商品開発研究会に行って、超おもしろかったのだった。
(研究会については、どんな展開になるかわからないけど、
とにかくおもしろい人を集めましたと三宅先生はおっしゃっていた)
エネルギー研究者の大場紀章さんが講師で、
「エネルギー危機と日本の製造業」をテーマにお話があった。
石油については、ほとんど何も知らなかったのだけど、
とにかく複雑なことがわかった。
原油価格は需要と供給で決まらず、国ごとの生産コストや、
政策やシェールガスや中国バブルや、もっともあれだったのは、
人々の気分だったりして、その結果が世界の産業に
大きなインパクトを与えることになる。
研究者の人の知識と思考の深さは、マジパないと思った。
研究者、専門家と比べたら、普通の人たちは、
テレビや新聞やネットからの情報、
それは利権を持つ複数の組織や、複雑なシステムや、
多くの人々の気分によって歪曲されたあとの情報しかなく、
それらを組合せて自分の意見的なものを持つなんて、
そもそも不可能なんじゃないかと思うほどだった。
研究会のあと、20人くらいで懇親会があり、
いろんな人がいて、こちらも超おもしろかった。


おもしろすぎて、帰り道から数日間、
自分って何なんだろうと思って、頭がぐるぐるした。
いまもしているのだけど、
思ったのは、新しく人と会うこと、
本を読むだけでなく、できるだけ情報源に近くて
詳しい人に直接会うのがいいなと思った。
すごい人に会うと視点が変わって、
当たり前だったものが違って見えるようになる。
貴重な機会をありがとうございました。


Webで読んだ記事から、本につながって、
本から人との出会いにつながっていった。
近代文学館でも同じようなことを感じて、
本をコンテンツと捉えるよりも、しっかり手で持って、
モノとして装幀を楽しんだり、文字は活字よりも、
手書きの原稿に人間味があって、モノから人で、
最終的に響くのは、人なのだと思った。


というか、ぼくの日記、
「よりぬきしーなねこ」のころから
ずいぶん変わってる!いいのか!?


http://instagram.com/p/ox5cB9Cwjd/