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ディッパーダンと私。気になるBGM。『横井軍平ゲーム館』を読んでいる。

昼休みに川崎ルフロンのフードコートにある
ディッパーダンでコーヒーを飲みながら本を読むのが、
いつもの過ごし方になって、半年以上経つだろうか。

店員の女性はぼくの姿を数メートル先に確認するなり、
ホットコーヒーを注ぐボタンを押して、レジの前に到着すると、
「百円です」と言って、すぐに出してくれる。
フタの上にミルクだけのせてくれる。
砂糖はいらないことも知っている。
ぼくは「どうも」としか口にしない。

女性店員は二人いて、ふたりともすべて察してやってくれる。
たまに新人がレジに立っていて、その背後にいつもの店員さんがいると、
新人がぼくに話しかけるより前に、コーヒーができていたりして、
何が起こっているのと新人が怪訝な表情をすることもあるが、
数回行くと、新人も「コーヒーですね」と言うようになる。
「昼に本を持った黒縁メガネの男が来たらホットコーヒーだからね」
情報共有がきちんとできているのだと思う。

メガネコーヒー

と呼ばれているかもしれない。それでもいい。

ディッパーダンは、実はクレープの店で、
9のつく日はクレープが全品290円になって、
列ができることがある。そういうときは忙しそうなので、
行かないようにしているのだけど、
うっかり行ってしまったことがある。
「座って待っててください! あとで持っていきます!」
と列のいちばんうしろのぼくに言ってくれたりした。

以前、百円玉がちょうどなかったので、
ディッパーダンの前を通り抜けようとしたのだけど、
店員さんに見つかると、コーヒーを注ぐボタンが押されるので、
見られないように顔を背けて横切ったり、またあるときは、
別の店でコーヒーを買ってしまい、
コーヒーを隠して早足で横切ったりした。

クレープは一度も食べたことがない。

今日も読書をしていたのだけど、
気が抜けるような気になるBGMが流れていて、
これまでにも何度かここで聞いたことがあって、
何の曲なんだろうと思って、曲を調べるアプリをダウンロードして、
使ってみたのだった。www.shazam.comw
周囲はBGM以外にも環境音が騒がしく、
赤ちゃんは泣いているし、肝心のBGMは小さく聞こえるだけだし、
こりゃ無理だろうと思いつつやってみたのだった。

結果、ある曲を特定したらしかったのだけど、
イヤホンがなかったので確認することもできずに、
昼休みを終えて業務にもどったのだった。

で、さっき、家でそれを聴いてみたら、
まさにこの曲だ! と少し感動してしまった。

ちなみにいま読んでいる本はこれ。

任天堂でたくさんのヒット商品を企画開発した
横井軍平氏の作品とインタビューが載っている。
すごくおもしろくて、力が湧いてくる。
枯れた技術の水平思考
という言葉は肝に銘じたいと思った。
昨今、新しい技術やノウハウや手法は次々に出てくるし、
O2OとかIoTとかなんとかマーケティングとか、
乗り遅れるな、追いかけないとと、混乱するし、
メールはたくさんくるし、交流は広くした方がよいとか、
何にでも手を出して取り入れようと、ついしがちだけど、
きちんと立ち止まって、枯れた技術で水平思考できるもの、
本当におもしろいことを突き詰めて使う必要があると思った。
その方がいいのだ。大騒ぎして振り回されて忙しそうにしても、
気づいたら、スタート地点からほとんど進んでいなくて、
振り回されずに着実に足場を確認しながら、
積み上げていった人のほうが遠くまで行っている。
最近そういうことをよく思うのだわ。
まだ半分しか読んでいないのだけど、何度も読み返したくなる。