働いたり本を読んだりしている



年末から1月は忙しく働いていました。
23時過ぎまで会社にいたりしましたが、
家まで10分ほどなので、1時には布団に入っていますし、
朝は8時半まで寝ているので、睡眠時間は充分なのですが、
仕事中ずっと座っているからか体がカチコチになるものですから、
Youtubeでヨガの動画を調べて、猫のポーズと、猫のねじりのポーズをしたりして、
日々やっていることもなんだかよくわからないし、
精神的な刺激に乏しく、疲れましたし、面倒くさいし、
何を食べていたかも思い出せないような日々でした。


ぬるいお風呂に1時間ほど浸かりながら本を読むのはしていて、
この頃は、心理療法的な本を読んでいました。おもしろいです。

認知行動療法と精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談

認知行動療法と精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談

野の医者は笑う: 心の治療とは何か?

野の医者は笑う: 心の治療とは何か?

とくにおもしろかったのは、『野の医者は笑う』でした。
臨床心理士である著者が、沖縄の様々な怪しいヒーリングを体験して、
心の治療とは何かを考察するルポルタージュで、何度も声を出して笑いました。
怪しいヒーリングで実際に心が治療される人がいて、なぜそういうことが起こるのか。
また、近代医学の外側でそういった怪しいヒーリングをしている人たちを、
「野の医者」と名付けて体当たりで探っていくのですが、
常に科学的で冷静な分析と解釈でヒーラーたちに向かっていくので、
読んでいる方がやや冷や冷やするほどでした。
いくつもなるほどと思うところがあったのですが、次のところがぐっときました。

 私たちは科学を信仰する世の中に生きているから、それをいかがわしくは感じない。幸いなことに、患者やクライエントの多くが科学的世界観を持って生きているからだ。だけど、表面的な違いを取り去ってしまえば、実は私たちも野の医者も同じメカニズムにのっとって治療を行っているのではないだろうか。
 アメリカの精神科医ジェローム・フランクは『説得と治療――心理療法の共有要因』という本で、そういう恐るべき結論に達している。心理療法が人を癒やすことができるのは、治療者がクライエントを説得するからなのだと。
 つまり、「無意識を意識化すること、無意識の自己実現を助けること、不適切な学習を解除し、適切な再学習を行うこと」という治療者の説明モデルがクライエントを巻き込むことで、治療が生まれる、そういう結論だ。
 だからフランクは、すべての治療の本質は科学的真実ではなくレトリックにある、とまで書く。

完全に信じきることができる治療のモデルというか、
よくなっていくとかこうなりたいといった理想的な自分になるための筋書きと、
それが実現していく仕掛けというか理屈・世界観などをひっくるめたシステム、
それをストーリーといってよいと思うのですが、
ストーリーをどれだけ強く信じきれるか、思い込めるかで、
人間は変わっていくものだなと思いました。

『野の医者は笑う』では心の治療について書かれていましたが、
上のようなことは治療以外の様々なことについて言えることだなと思いました。
たとえば、「モテたい」というのもそうだと思うのです。
ぼくは10年ぐらい前に、「モテたい」という一念から、
強烈なストーリーを描いて信じきっていた(ストーリーの中で生きていた)と思うのです。
「MMK(モテて・モテて・こまらせて)」プロジェクトとかいって、
毎週のように合コンをしたり、M-1グランプリに出たり、ブログを書いたり、
リアル桃鉄をやったり、小説の同人誌を出したり、
とにかく活動的でした。軽い躁状態だったと言えます。
「世界平和」と「人類の大願成就」も本気で願っていて、
へもいっ子クラブって宗教じゃないよねと言われたりしました。
それが原動力になっていましたし、理想としていた自分に本当に近づけていたのは、
ぼくのなかに信じきっていたストーリーがあったからなんだなと思いました。

で、いまそういう信じられるストーリーがなくなって、ぼんやりしているのですが、
かつてモテたいという強い欲求を持って、ストーリーを信じきれていたのは、
ある意味病んでいたのかなとも思ったりしました。
と思っていること自体がストーリーであるとも言えるのですが。


認知行動療法精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談』も
おもしろかったです。
『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。』の
著者の伊藤絵美さんと、精神分析家の藤山直樹さんが対談をしています。
いまは認知行動療法がすごく流行っているらしく、
一方の精神分析はお金も時間も(10年で1000万とか)かかるし流行っていない。
対比がおもしろかったです。
『野の医者は笑う』に「心の理療は時代の子」という言葉がありましたが、
時代に合った治療があるのかなと感じました。
藤山直樹さんが落語をやっているというのもあって、認知行動療法精神分析が、
テレビのお笑いタレントと落語家みたいだなと思いました。



それで、まあ、これから自分がどうやって生活したり、
活動をしたりしていくかを考えたりもしています。