「千百九十七銀行」って、どこだ!

十六銀行」とか「七十七銀行」とか、
数字の名前の銀行があるではないですか。


なんでえ、意味の分からねえ数字なんて付けやがって。
一から順にあんのかい?それにおまえさん、一から順っつーたって、
いったい幾つまであるんだい。


と、前足の裏からフェロモンを分泌して、
柱にニオイつけをしながら思っていたのですが、
調べてびっくりしました。


数字の銀行は元々、1872年(明治5年)から
1879年までに作られた国立銀行というもので、
153あったそうです。これらが1882年に民営化して、
多くが今の普通銀行の起源になったそうです。


これ知らなかったの、僕だけですか?
思わず、舌をブラシ代わりにして、
体のすみずみを念入りにグルーミングしてしまいました。


それにしても、明治の頃、銀行の名前が全部数字だったら、
覚えているのが大変ではなかったかと気になります。
第一銀行」だったら覚えていられますが、
「第三十四銀行」みたいな中途半端なところになると、
翌日には、自分が何番に預けたか忘れてしまいそう。
ロッカーの番号だって覚えるのが難しいのに。


さらにややこしくなるのは、合併です。
八十二銀行」は「十九銀行」と「六十三銀行」が合併し、
両者の数字を足しあわせて名付けられた銀行らしいです。
そんなのもいけるんだ。


やっと自分の銀行が「十九銀行」だと覚えたときに、
新聞に「合併!」と書かれてたら大変。
そうするってえと、おれの銀行は19だったから、
えー、19+63で83か、なんて間違えて
「八十三銀行」に行ったり、うっかり掛け合わせちゃう奴もいて、


「千百九十七銀行」って、どこだ!


なんてことになった明治の人もいたとか、いないとか。