僕がひとり暮らしをしない大きな理由のひとつとして、
酔って帰って転がっている時に、誰かが毛布を掛けてくれる、
というのがあります。
金曜の晩、会社の人々と酒を飲みに行きました。
それにしても、後輩のamaくんの酒の強さはすさまじい。
手が小刻みに震えるくらい重たい巨大ジョッキで2杯飲んで、
上司先輩の方々と僕は焼酎へ移行しましたが、
amaくんは3杯目の大ジョッキへ。
「まだビールを飲むのですか?」
と聞くと
「ホップ・ステップ・ジャンプでいきたいじゃないですか」
僕は1杯目が「ホップ」、2杯目が「ステップ」、
そして焼酎が「ジャンプ」という認識でしたが、
彼にとっての3杯目の大ジョッキは、まだ「ホップ」の段階であって、
「ステップ」が焼酎のようでした。
彼が「ジャンプ」するとき、一体どうなるのだろうかと想像すると、
背筋が寒くなります。
話がそれましたが、僕はそこで、うっかり
K点超えの「ハイジャンプ」をしてしまい、終電を逃し、
2時間歩いて帰ったようですが、記憶があまりありません。
リュックごと上着を脱いだ形跡がありました。
夜中、意識が戻ると、僕は上着を脱いだ格好で、
膝を丸めてガクガク震えながら、床に転がっていました。
自分のこの状況を知っても、頭が痛く、気持ちが悪く、
まったく体が自由に動かせませんでした。
この状況で、できることと言えば、ただひとつ。
じっと目を閉じて、身を硬くして、
「またやってしもうた。またやってしもうた。」
「神様、もうしませんから、助けて下さい!」
と心の中で祈ったりしつつ、眠るか意識をなくして、
苦しみをやり過ごすことのみなのですが、
朝、目を覚ますと、僕の体に布団が掛けられていました。
家の中の誰かが見かねて、明け方に僕に布団を掛けてくれたのです。
しかし、時すでに遅し、完全に風邪を引いてしまいました。
でも、布団を掛けてもらわなかったら、
もっとひどい風邪になっていて、こうしてキーボードを
叩くこともできなかったでしょうし、
朝は妹が温かい「どん兵衛」を作ってくれました。
ひとり暮らしだったら、凍えて飢えて死んでいました。