本を大量に買った。

青空文庫というサイトで著作権の消滅した本を
iPadとかで読んだりしているのですが、作品の底本として
筑摩書房の『現代日本文学大系』となってるのがあって、
これがあればいい勉強になるなと思ったのでした。


で、現代日本文学大系について調べてみたところ、
全九十七巻で六十一万円することがわかって、
高いなと思ったのですが、
Yahoo!オークションで検索をしたら、
なんと一万五千円で売ってるではないですか。
これは!と思って入札をしたら、
最終日まで僕の他に誰ひとり入札する人が現れず、
落札おめでとうございます!というメールが来ました。


やった!
というよりも不安が浮かびました。
何が不安かっていうと、


全九十七巻


置き場とか、重量とかですよ。
「でもまあ、多くてダンボール三箱くらいかな」
と具体的なサイズをよく考えないで入金を済ませたら、
すぐに発送完了メールが来て、
玄関開けたら、

これですよ。
玉ねぎの箱が五箱あって、農家かよ!
と思って開封したら、もちろん現代日本文学大系で、
一箱あたりびっしり二十冊入っていました。
箱ごと持ち上げようとしたら、腰骨をやられそうだったので、
慎重に床におろして少しずつ本を出しました。


とりあえず、全巻揃ってるか確認しようと思って、
並べたら足の踏み場がなくなりました。

しかし、僕の本棚は前にも書きましたが、
IAEA、……じゃなかった、IKEAの
バカでかい本棚なので、全然大丈夫。

二十五個のスペースのうち、五個で収まりました。
ひとつのスペースに二十冊入っています。
順に並べていくだけで明治、大正、昭和までの
文学の流れがわかりそうな気がしました。
まずは、坪内逍遥二葉亭四迷からです。


全部読むのは無理そうなので、
国語便覧で全体の流れを頭に入れて、
さらに各巻に入っている月報で要点を押さえた上で、
作家のもっともキレてる作品を、
一二作ずつ読んでいきたいと思います。
菊池寛氏がこういうことを書いていました。

生活しながら、色々な作家が、
どういう風に、人生を見たかを知ることが大切だ。
それには、矢張り、多く読むことが必要だ。
そして、それら多くの作家が、
如何なる風に人生を見ているかということを、参考として、
そして自分が新しく、自分の考えで人生を見るのだ。
言い換えれば、どんなに小さくとも、どんなに曲っていても、
自分一個の人生観というものを、築きあげて行くことだ。
こういう風に、自分自身の人生観
――そういうものが出来れば、
小説というものも、自然に作られる。
もうその表現の形式は、自然と浮んで来るのだ。
自分の考えでは、
――その作者の人生観が、世の中の事に触れ、
折に触れて、表われ出たものが小説なのである。


六月にまた文学フリマに出店します。