毎日のごはんと、誰かのことば。日々。


11/23
思い出して小林秀雄の講演録を聞いた。
「よく流行してる思想があるでしょ。
もういつでもそうですよ、まず時代を風靡している思想ってのは
みんな迷信ですよ、いつだって迷信ですよ。
現代だって大きな迷信の中に僕らはいるんです」
と言っていた。本当にそう思う。
で、それを知らない人がこの世には多すぎて悲しい。
ぼくらだけでも、よく知って、よく生きよう。



11/24
「『制限』が創造性を高める理由」という記事を読んだ。
ポール・ヴァレリーがこんなことを言っていたらしい。
「芸術が固有に備える制限によって、
その想像が鈍ってしまうのではなく刺激される時、
人は詩人となる」
小説にとっての「制限」って何だろうと考えたが、
忙しくてすぐに別のことに頭がいってしまった。


詩との違い。随筆との違い。昔話、民話、神話との違い。
音楽との違い。映像との違い。物語が必要。
坪内逍遥の『小説真髄』には

小説は、見えがたきを見えしめ、曖昧なるものを明瞭にし、
限りなき人間の情慾を限りある小冊子のうちに網羅し、
これをもてあそべる読者をして自然に反省せしむるものなり。

なんて書いてある。「自然に反省せしむる」の部分の、
特に「自然に」が大切だと思った。



11/28
母の誕生日だったことを思い出して、
会社の帰りに無印良品に行って、
ステンレスパンチングザルを買った。
とても洗いやすくて重宝しているというようなことを、
細野晴臣氏が何かに書いていた気がしたから。
ザルだけだとあれなので、ザルの中にお金を入れて渡したら、
大道芸の人に渡すお金みたいな感じになってしまった。



11/29
文学フリマで『突き抜け4』を買ってくれた方が、
ブログに感想を書いていますよ、とたかはしさんに教えてもらった。

妙にキラキラしたお 誕生日モードみたいな兄ちゃんの表紙と、
変なおっさんの写真が挿絵にはさまっており萎えるが、
中身はわりとまとも。6人の作家で6作品収録。

「キラキラしたお 誕生日モードみたいな兄ちゃん」
は僕のことだろう。挿絵の「変なおっさんの写真」というのは、
イッセイ氏のことだろう。萎えたか……。
ひのじさんと阿藤さんの作品についてあった



11/30
川端康成の『眠れる美女』を読んだ。
強い毒薬を飲んだような気持ち。
それでも淡々と静かでいるような。
まいったまいった。ねる。



12/1
起きたら、喉が痛くて熱っぽくて体が重いので午前半休した。
適度に休みたいけれども、日々休めない感じなので、
そのうち破滅するような気持ちになる。



名古屋に住む伯父さんがハムを送ってくれた。
とてもうまかった。ありがとうございます。