そういえば、「危険なメソッド」を観たのだった。

そうそう、土曜日のことですけど映画を観たのでした。
有楽町のTOHOシネマズシャンテで「危険なメソッド」
小宮山さんと、イガラシイッセイ氏と行きました。
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フロイトとユングと、
精神病院に入院してきたシュピールライン
(ユングの愛人になったり、のちに精神分析家になる)
といった実在の人物と出来事をもとに作られた映画です。


内容は大きな起伏もなく淡々と進んでいくのですが、
退屈な感じとはちょっと違う、味わい深い映画でした。
フロイトとユングが初対面で十三時間も話したこととか、
ユングとの意見に違いでフロイトが失神したりとか、
有名なエピソードが随所にあって、おおーと思ったりしましたが、
とにかく内容が難しくて、理解が追いつきませんでした。
追いつかない理由は、難しさだけではなく、


大きないびきで寝てるオッサン


が近く(小宮山さんの隣)にいたことや、
ぼくとイッセイ氏のうしろの夫婦が、
「すみませんが、頭をすこし下げてもらえますか?」
と、別に特異な座り方をしているわけでもないのに、
注意してきたため、半分仰向けのような、
腰に負担のかかる変な姿勢で映画鑑賞をせざるを得なくなり、
もっとも集中を要するシーンで、
体は痛いはオッサンのいびきはうるさいはで、


何にも頭に入ってこなかった


のでした。
「いろんな意味で、忘れられない一本になりましたね」
と話し合いながら帰りました。


しかし、ぼくがある本で読んで想像していた
フロイトとかユングのイメージは、
もっとぶっ飛んだ感じだったので、
映画の中の二人は、かなり普通で、
すこし物足りなさを覚えました。


たとえば、ユングの年譜(抜粋)。

創造する無意識―ユングの文芸論 (平凡社ライブラリー)

創造する無意識―ユングの文芸論 (平凡社ライブラリー)

・一八七九年(四歳)
最初の記憶に残る夢、
地下の黄金の玉座に据えられた巨大な男根の夢をみる。
・一八八一年(六歳)
学校仲間とは火遊びを好み、火を守る役に喜びを覚える。
ひとり気に入りの石の上に坐って、自分が石で、
その上に彼が坐っているのではないかという疑念に囚われる。
また屋根裏に秘密の人形を祀る儀式を繰り返す。
・一八八七年(一二歳)
最初の記憶に残る幻想――バーゼル大聖堂の屋根に、
はるか上空の玉座に坐った神が
排泄物を落としてこれを粉みじんに砕。

・一八九八年(二三歳)
夏休み、テーブルが大音響とともに裂けたり、
戸棚の中のパンナイフが轟音を立てて
砕けたりする事件が起こる。


「秘密の人形を祀る儀式」って……。
あ、ぼくも似たようなことをやってたか。
しかし、まあ、映画が千円で観れる日だったので、
よかったです。