よく眠ったり、ジムへ行ったり、投票したりした。

金曜の夜は、すごく眠くて十時に寝ました。
朝は九時に起きて、読書をして、
夕方にジムへ行くついでに、
期日前投票をしてきました。


選挙のことを考えるとなんだか暗くなるのは、
なんでだろうと思っていたのですが、
自分が投票しても大勢に影響ない、
というのはありますが、その大勢というのが、
こわくて暗くなるんだろうなと思いました。


それは、なんだろう、例えばゲーム。
十年、二十年前のゲームはおもしろかったし、
やりがいがあって、よくやっていたのですが、
まあ、年齢の問題が大きいと思いますが、
もう何年間もやっていません。
いや、やってはいるのです、LINEのパズルや、
Amebaピグみたいにアバターを作って、
家の中を改装していくようなやつを。
で、それをゲームというのかというと、
なんだろう、片手でボタンを押すだけのような、
「作業」になっているわけです。で、しばらくやって、
「なにしてんだろう、ぼく」
となるのです。いくらやっても、
広告収入とか課金アイテムのお金が、
ゲームを作った会社に送られるだけなのに。
内職してお布施しているようなものです。


それが大勢とどう関係あるのかというと、
昔のように時間とお金をかけて作った複雑なゲームより、
先に書いたようなLINEのとか、モバゲーとかグリーとか、
ソーシャルでボタンを押すだけのゲームが流行って、
任天堂が赤字になったのが象徴的だと思うのです。
つまり、一概には言えませんが、
深くてよいものが、浅くて簡単なものに、
消費者も作り手も積極的にシフトしていく流れが、
止まらずに進行していく現象があって、それがこわいのです。
受け手は簡単なものしかやらない、できなくなっている。
作り手は、受け手が簡単なものしかしないから、
簡単にする。というスパイラル。
それを支える大勢(世のなりゆき)が、こわい。
ゲームは一例で、テレビ番組や、タレント、
ウェブサイト、アプリ、本、音楽、映画、食べものも、
いろんなところで感じます。


そんなことと、選挙のことを考えていた時に、
B層」という言葉を知って、ああ、と思いました。
B層というのは、二〇〇五年に、
ある広告会社が分類して想定した層で、定義は、

郵政民営化の広報企画にあたって
小泉政権の主な支持基盤として想定された、
「具体的なことはよくわからないが
小泉純一郎のキャラクターを支持する層」

「IQ」が比較的低く、構造改革に中立的ないし肯定的
Wikipediaより)

ということらしいです。そして、その広告会社は、
B層に伝わりやすい新聞折込みフライヤーや
テレビ・ラジオの広報番組を利用して、
民営化の必要性を徹底的に「ラーニング」させるよう
提言したそうで、結果、とても成功しました。
そんなことがあって、B層というのは、
広義では、政策よりもイメージで投票を行う層、
ポピュリズム政治にだまされやすい層といわれます。
この、よくわからないけど支持するというのと、
先のゲームの例みたいに、受け手は自分がわかるものしかしない、
作り手はわかった気にさせるために内容を浅く耳障りよくし、
また射幸心やら怒りなどの感情を刺激して扇動する、
というのとが重なったのです。


ぼく自身、スマートフォンで内職するロボットみたいに、
ゲームをしたり、ブームに流されやすいと思うのですが、
このまま、「いくら説明しても分かりっこないし、
こう言えばうれしいんでしょう」とか「こうやってだまして、
都合のいいように動かそう」的な発信が増え、
また、そうでないと、まったく反応できない人々が増えて、
そのために、いくつもの要因が絡む複雑な問題なのに、
単純な二項対立に置き換えられたような情報ばかりになって、
そのたびに、うおーっとスマートフォンを親指で連打して、
発信者にお布施をして、最後に、だまされたわー!
というのを繰り返すのは、まじこわいなあと思いました。
しかも、ソーシャルでいろんな人に連鎖しやすいし。


そういう流れは、もう止まらないように思うので、
暗くなっていたのだと思いました。
なんか、まとまりがなくなってしまいましたが、
少なくとも、ぼくはよく考えて、
行動したり書いたりしたいと思います。