エクストリーム出社関係で、あまやんさんと北海道へ行った。
金曜日の朝に羽田から飛行機に乗って、10時に千歳空港。
飛行機が苦手だったはずなのだけど、全然気にならなかった。
天気は小雨が降っていて、少し肌寒いくらいだった。
札幌で予定されていた打合せを終えて、案内をしていただいて、
道民のソウルフードという「みよしの」の餃子を食べ、
北海道神宮をお詣りした。神宮は太い木がぐんぐん生えていて、
パワーが充満していて、すごくよかった。敷地内はお花見が盛んで、
といっても桜はすでにほとんど散ってしまっていたのだけど、
花は関係なく、みんな火を使ってジンギスカンをしていた。
北海道には3日間滞在したけど、毎日どこかしらで、
ジンギスカンをしているグループを目にした。
夜、うまいジンギスカンの店へ連れて行ってもらった。
やわらかくて、くさみがなく、大変うまい。
店には小樽ビールという地ビールがあって、
ピルスナー・ドンケル・ヴァイスと全種類飲んだ。
小樽ビールはいずれもあっさりしていて、
ジンギスカンによく合う。激しくうまい。
すすきののホテルにあまやんさんと戻って、
あまやんさんは徹夜明けだったらしくすぐに眠ったようで、
ぼくは興奮が冷めずに、ホテルの窓から大きな観覧車が見えるから、
外に出たのだった。時間はまだ22時前だったと思う。
それにしても、すすきのの歓楽オーラはマジパない。
そして、道路の長さは限りなく、昼夜の寒暖差は超やばい。
札幌の街は屯田兵のおかげか、区画が碁盤の目のようになっていて、
交差点名が北6西3のようにわかりやすくなっている。
のだけど、地元の人でない、ぼくにはわからない。
ツイッターで観覧車が見えるとつぶやいたら、
北海道に縁のある人たちが、それが「ノルベサ」だと教えてくれた。
みんな「ノルベサ」のことは知っているのに、
乗ったことはなさそうだった。それにしてもすごいネーミング。
観覧車を下りたところで、おのしゅうさんが、
ツイッターでうまいラーメン屋さんを教えてくれた。
ので、そこへ行ったのだけどラーメン屋は跡形もなかった。
このときぼくは結構酔っていたと思う。
だから見落としただけかもしれない。
北海道は広くて、スケールが狂う。
地図で、この通りの向こう側だから5分くらいかな、
と思って歩き始めたら3キロくらいあったりする。
スーパーマリオでブロックとかカメが大きいステージがあるけど、
ちょうどあんな感じがした。違うかもしれない。
大通公園をうろうろして、ベンチに座ったり、
北海道のサラリーマンたちが賑やかにしているのを眺めて、
適当な居酒屋に入って、ウニとタラで一杯やって、
ホテルに戻ってすぐに寝た。感謝してもしたりないくらい、
本当に楽しい1日だった。
2日目
あまやんさんが気を遣ってくれて別で観光することに。
といってもぼくは計画がない。観光が下手なのだ。
とりあえず、北海道の広さを昨晩思い知って、
徒歩だと数ブロック移動するだけで日が暮れると思い、
自転車を借りることにした。すすきのから札幌駅近くまで
歩くのも結構な距離だった。レンタサイクルのお店は、
ごく普通のマンションの一室にあって千円で乗り放題。
ホテルのロビーにあった無料の「るるぶFREE札幌」を見て、
「モエレ沼公園」へ行くことにした。以前に写真で見て、
行ってみたいなと思っていたことを思い出した。
で、また目測を誤って自転車を1時間半ほど漕ぐはめになった。
公園の前で少し休憩をした。「ミルクの郷」という観光牧場で、
牛の匂いが漂っていて、のどかで、ソフトクリームがうまかった。
モエレ沼公園は、ちょっとどうかしているほどデカかった。
空が割れて、巨大な手が出てきて何も考えずに、
山とかピラミッドとか森を作ったようなデザインで、
スーパーファミコンの「ポピュラス2」みたいだった。
シンボル的な山があって、てっぺんを目指したのだけど、
自転車を置いて登って戻ると倍の時間がかかりそうなので、
自転車を押して山に登ったら、倍以上の時間がかかった気がした。
山の上では犬を連れてきている人やカップルや子どもがいて、
自転車で登ってきたぼくを珍しそうに見てきた。
わざわざ頂上まで自転車で来たってことは、
山の急斜面をこいつは自転車で下るんじゃないか、
という視線を四方から受けたのだけど、
もしそれをしたら、本物のエクストリームだ。
ゆっくり手で押して下りた。期待に沿えなくてすみません。
モエレ沼公園内をぐるっと自転車で回って、
再び1時間ほどかけて札幌市街に戻った。
ナビアプリで移動距離を見たら30kmあった。
横浜から新橋までの距離に相当すると知って愕然とした。
大通り公園のベンチで、パンジーを見つめた。
あとラーメンを食べた。
旅行の荷物を全部入れたリュックが5キロくらいあって、
これがじわじわと疲労を蓄積していることに気づいたのは、
すでに夕方になった頃で、疲れ果てたので、
今晩のホテルにチェックインして、ベッドに横になって、
気付いたら40分ほど寝ていた。家か。
あまやんさんから連絡があり、
夜は合流して、北海道女子たちと飲むことになった。
おすすめのお寿司屋さんと、串鳥というお店へ行った。
どちらもうまかった。お寿司屋さんでは北海道の地酒を飲んだ。
「熊ころり」というすごい名前のお酒がうまかった。
北海道のお酒が5種類くらいあって、
これも全種類飲んだのだけど、よく考えたら、
というか考えるまでもなく5合で飲み過ぎた。
会はとても楽しくて、ずっと笑いっぱなしだった。
ほんとみなさん、おもしろい、道産子!
ホテルに帰ってくる記憶はあやふやで、
この日はあまやんさんと相部屋で二段ベッドで、
ぼくは自然に上の段に転がり込んで眠った。
あまやんさんが上から落ちてきたらひとたまりもない。
3日目
深く深く眠ったのか、
飲み過ぎて気を失っていたのかわからないけど、
目覚めはすっきりしていて、朝の8時だったと思う。
シャワーを浴びて顔を洗って着替えてホテルを出ることにした。
あまやんさんは、まだぐっすり眠っていた。
これまでの教訓を活かして積極的に電車を使うことにした。
地下鉄の東西線に乗って、二十四軒駅へ行き、
札幌市中央卸市場の場外市場へ行った。
日曜だったので市場はやっていなかったけど、
お店は開いていてカニなどが売られていた。
適当な食堂を見つけて入って海鮮丼を注文すると、
具がたっぷりの丼が出てきて、醤油をかけて、
ガツガツかき込んで、大変満足した。
二日酔いのときの塩分のうまさって神懸かっていますね。
そのあと地下鉄で大通駅まで行って、
路面電車で中央図書館へ行こうと思ったら、
反対方向に乗って札幌駅に着いてしまった。
これなら地下鉄を下りなくてよかった。
路面電車を待つスペースはおどろくほど狭くて、
そこに立っていると、
間違ったことをしているのではと不安になるほど細い。
あまやんさんだったら、電車がお腹をかすめると思った。
札幌駅に戻って、そういえばあの時計台を見ていなかったと、
時計台まで歩いて見学。それから横の珈琲店で休憩した。
駅の南側はだいぶ歩きまわったので、午後は北側へ行くことにして、
北側には何があるかというと北海道大学があった。
その前に、北海道大学近くの
カレー食堂「心」でスープカレーを食べた。
ジャガイモやニンジン、レンコンなど野菜が
ごろごろと入っていてボリュームがすごい。
ほろほろになるまで煮こまれた鶏の大きな脚も、
それらに深く強く浸透しているスープもうまくて、
うめえなあ、と口に出してしまう。
最近、思ったことが自然に口から出る、老化か。
北海道大学は、大学というより、巨大なテーマパークみたいで、
老若男女が思い思いに散歩やサイクリングやジョギングをしたり、
池の畔で桜を眺めたり、子どもが小川で遊んだり、
カップルが仲良く座っていたりして、すごくよかった。
自然が豊富で、歩いているだけで癒やされてくる。
図書館で1日利用券を出してもらって中に入ると、
とても静かで、ここも老若男女が勉強したりしている。
本の種類はさすがに大学だけあって専門的で豊富で、
なんかもう感無量です。入学したい。
総合博物館というのもあって、ここがすごかった。
大学の歴史から、動物、恐竜、鉱物など、
貴重なものがたくさん展示されていた。
ぼくが行ったときは、イザベラ・バードという
旅行家であり作家でもある女性に関する展示を開催中で、
この展示がすごくよかった。
イザベラ・バードの紀行文の翻訳をしている
地理学者の金坂清則先生がキャプションなどを書いていて、
さらにご本人が説明をしてくれる時間帯で、うわーっとなった。
旅行記を読むとは
「そのもとになった旅を読み、
旅する人を読み、旅した場所・地域を読み、
旅した時代を読むこと」
である。
夕方にあまやんさんと合流して、
札幌から快速エアポートで空港まで移動して、
21時発の飛行機で、羽田に帰ってきた。
3日間とは思えないほど濃密な時間で、
1週間ほどいたような気持ちがした。
北海道へ行ったといっても、札幌だけなので、
次は他のエリアにも行ってみたい。
みなさん、ありがとうございました。