引っ越してすぐは毎日のように自炊をしていたのですが、
やはりというか、みなさんそうなるみたいで、
ぼくも自炊の回数は減って、いまは半々ぐらいです。
というのも、Amazonプライム会員になると、
Amazonビデオというサービスで映画とかドラマとか、
見れるようになるのですが、それで「孤独のグルメ」という
松重豊さん主演のグルメドラマを見はじめたらおもしろくて、
ハマってしまった結果、自分でも孤独のグルメみたいに、
うまい店を探して食べたいと、
外食したくなってしまったというのがあります。
孤独のグルメは、ちらっとテレビで見たことはあったのですが、
真剣に見たことはなくて、ただ食べるだけの番組だと思っていたのですが、
きちんと見たら、ドラマ性もあり笑いもあり、
情報がコンパクトにまとまっていて、よくできているなあと思いました。
主人公は食べログで高評価の有名店に行くのではなく、
大通りから一本外したところで、静かに、しっかり、
うまいものをこだわって出し続けているようなお店へ行って、
あれこれ独り言を心の中で言いながら食べ、
その台詞のひとつひとつがどれもおもしろい。
「空腹に振り回されるな」
「メニューに遊ばれている」
「落ち着け、おれは腹が減っているだけだ」
うまい店に行って、うまいものを食べるという目的のためだけに、
戦略的に思考をめぐらせ、オーダーを組み立て、店内を観察し、
自らを内観し心と腹の声に耳を傾け、
店と自分との抜き差しならない闘いを繰り広げている。
そういう点ではバトルものとも言えるのかもしれない。
あと、もうひとつ好きなのは(Amazonプライムではありませんが)、
吉田類さんの酒場放浪記も好きで、こちらはわりと見ていました。
酒場放浪記は、吉田類さんがいい感じの酒場へ行って飲むだけで、
ドラマではないのですが、臨場感がすごく、見ていると、
いますぐにでも家を出て赤提灯のある酒場の暖簾をくぐって、
ちょっと一杯やりたくなる魔術的な魅力のある番組です。
……と書いていたら、つい飲みたくなって、冷蔵庫から
出雲富士(純米吟醸・無濾過生原酒)を出してきて飲んでます。
まあ、そんなわけで、外で食べたりしています。
直近でよかったのは、JR駒込駅東口の和食亭という小料理屋さんで、
昼はランチをやっていて、品数の多さに驚きました。
メインを焼き魚か煮魚かで選んで、たらの煮付けを選んで、
冷奴、肉じゃが、きゅうりの漬物、なすの煮浸し、
ひじきの煮物、味噌汁、お刺身などなど、お盆に乗り切らず、
最終的に十品も出て、ちょっと笑ってしまって
「すごい出てくるんですね」と店の方に言ったら、
栄養バランスを考えて、野菜を多く取ってもらいたいから
そうしています!とのことで、味もひとつひとつ丁寧にできていて、
煮付けもやわらかくて、やさしくて感動したのでした。
その日、どうも朝から元気が出なかったのですが、
こうやってもてなしてもらえて、親切に声をかけてもらえて、
大切なことを学んだ気持ちになりました。よかった。
もうひとつは、同じく駒込なのですが、くまちゃんという居酒屋。
メニューが豊富で、お酒も田酒や獺祭を安めで飲めるのですが、
もっともおどろいたのは、刺身のうまさでした。
職場が目黒にあったときによく通っていた居酒屋よしと、
雰囲気がちょっと似ていて(くまちゃんはすごい繁盛していますが)、
実に落ち着く空間なのでした。
と、二つの店を書きましたが、
どちらも自分で探し当てたわけではなく(すみません)、
和食亭は孤独のグルメでやっていたのを見て、
くまちゃんは酒場放浪記でやっていたのを見ての訪問でした。
どちらもうまくて感動的だったのですが、
できれば自分の足で探し出して、
通える店を見つけたいものです。