小説集『突き抜け』のご購入はこちらから。



最近のこと

依頼をいただいてマイナビに記事を書かせてもらったのでした。
2週間おきに1つのペースで3つ。テーマは決めてもらっていたので、
どういう内容にするかを考えて、書いていくのが楽しかったです。
たくさんの人に読んでもらえるのもうれしいです。

news.mynavi.jp

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記事を書くのは1年に1回あるかないかで、
どうやって書いたらいいのかわからなくなっていたら、
Facebookでデイリーポータルの林さんがある本を推していたので、
それを図書館で借りて読んだのですが、とても参考になりました。

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

メモをして、これの通りに書きました。
仕事でも文章を書くことがあるので、それにも活かせています。
メモはこういう感じになりました。

  • 第一に「読者のこと」を考えること。「自分のこと」を曲げてでも読者のことを考えること。
  • きちんと読んでくれる読者を想定してはいけない。極めて不親切(不熱心)な読者を想定すること。
  • いちばんおもしろいところから読みたいはずなので、そうやって書く。
  • 「人を変える可能性のあるもの」だけが、お金を取れる。
  • 「人を変えるもの」を意識して生きる。何かおもしろいことはないか。まず自分で驚く。
  • 強く書くこと。断定しなければ意味がない。「思う」とか一人称は使わない。
  • 結論から書き出せ。
  • 「なんか変」のストックをためておく。
  • オリジナルとは、人の成果を踏まえてそれをすべて呑み込んだうえで、ひとつでいいから新しいことを示すこと。
  • 文章は躍動する。勝手に動く。即興性。そのときにしか書けないことを書く。
  • 事前に考えたことしか書かれていない文章は失敗。
  • 文章の運動性。書くことでしか、書くことを経験できない。スポーツと同じ。
  • とりあえず書く。相手を決めてどういう反応がほしいのか考えて。

とくに痛感するのは、ほとんどの人は読みたいと思ってもいないし、
関心を持っていないということ。仮に関心を持っても、ほとんど読まないし、
写真とかぱっと見て、最後をちょっと読むぐらいだなということです
(ぼくがネットの記事をそうやって読んでいるのですが)。

なので、タイトルとサムネイルで驚かすか、ハッとさせるとか、
笑わすとか、読者が何となく感じていたことを言語化したりしないといけなくて、
つかみができていれば、リード文でメッセージを伝えることができそうです。
それでも本文を読むことって滅多にしないと思うのです、
読むとしたら、文章自体が油断できないほどおもしろいとか、
展開を追っていないとクライマックスのおもしろさを味わえないとか、
ではないでしょうか。そのためには、ネタが直線的ではなく、
立体的に積み上がっていかないといけないのでしょうね。

そのようなことを考えていたときに、
もうひとつ気になるタイトルの本を見つけて、買って読みました。

こちらはプレゼンの方法ですが、
前述の『いますぐ書け、の文章法』と内容がとても似ていました。
ほとんどの人が話を聞いていない、聞いていてもすぐに迷子になる。
相手の立場になって話す、断言してポジションを取るといったことなど。

特別なところで肝になっているのは、伝える内容の構造を明確にするという点。
結論を構成する複数の根拠と、根拠を構成する複数の事実によるピラミッドを、
相手の頭に右脳と左脳の特性を理解して、リアルに移植するというもの。
ロジカルシンキングの本によく出てくる内容でしたが、
具体的な例とともに示されていて、とてもわかりやすかったです。
読んですぐにメルカリに出したら1300円で売れました(1500円で買って)。


しかし、あれですね。
思うのは、年齢のせいなのか、スマホが普及して集中力がなくなっているからか、
心に余裕がなくなっているからかわかりませんが、
ネットでもリアルでも、だれも(ぼくも含め)他人の話を聞いていないなということです。
みんな自分が聞きたいことを聞きたいように認識するだけで、
それ以外は聞かないか、聞かないどころか攻撃したりとか、
そういうことになってきている感じがしませんか。

その変化に合わせて、聞きたいことを聞かせる傾向が強まっていくと、
嘘でもいいから感情を揺さぶれるようなフェイクニュースがでてきたり、
聞きたいもの中毒みたいになって、そればかりで過激化していきそうです。
まっとうなことを言っていても聞きたくなかったら、
聞かれないですし売れなくて消えてしまいますから、
聞きたくないだろうなということを聞かせるには、
正露丸糖衣みたいに、聞きたいことでコーティングして、
内側から効いてくるみたいにするコンテンツもないと、
人類は滅亡すると思います!(いきなり極端!)


https://www.instagram.com/p/Bk9qJ3mhHcY/

山口へ行ってきました。

何年も前から寝たきりになっていた祖母が夜中に旅立って、
翌日の早朝に新幹線で山口へ行きました。湯田温泉です。

家族で簡単にすませるから来なくていいよ、
と母に言われていたのですが、祖母の家系らしいなと思いました。
できるだけ人に迷惑をかけず、ひっそり終わらせるタイプなのです。
ぼくもその血を継いでいるのですが。

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湯田温泉に着くと、叔父さんがクルマで迎えに来てくれました。
叔父さんも叔母さんも、昔からよく知っている優しいひとです。
みんな覚悟していたようで、深く落ち込んでいる様子はありませんでした。
前に来たのは4年前で、そのときは祖母はまだ歩くことができていて、
認知症でぼくのことをときどき忘れていました。

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お葬式は翌日なので、この日は湯田温泉を観光しました。
子どもの頃から何度も来ていたのですが、
自分の足で観光しようと出かけるのははじめてでした。
中原中也記念館は来館者がぼくひとりで、ゆっくり見ることができました。
企画展では「帰郷」を取り上げていて、そのときの気持ちにしっくりきました。
外でういろうを買って、山口中央公園で食べて、
県立美術館の前を通って、山口大神宮でお参りしました。
日差しが強く、夏のような暑さでした。
夜は山水園の日帰り入浴へ。とてもよい温泉でした。

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お葬式は祖母の子どもたち3人と、孫のぼく1人でした。
お坊さんには来てもらわず、叔父さんがお経を上げると言っていたのですが、
お経の本を忘れてきたことに斎場で気づきました。
「そういえば、タカちゃん般若心経暗記してなかった?」
「タカちゃん、般若心経唱えてくれるかな?」
という流れになり、ぼくがお経を上げました。
こんなことになるとは思いませんでした。

祖母は寝たきりのあいだ、口を開けたままだったので、
口が閉まらなくなっていて、大笑いしているように見えました。
祖母の家系はみんなよく笑うし、まじめな顔で冗談をよく言うのです。
ぼくがお経を上げたから、
「あら、タカちゃんが上げとるのかね、おかしいねえ」
と笑っているような気がしました。


骨を骨壷に入れて、あっという間に終わりました。
遠いから来なくていいよとは言われていましたが、
叔母は体重が100kgで車椅子、叔父はぎっくり腰。
母に100kgの車椅子は動かせないので、
「タカちゃんが来てくれて助かったよ、お経上げてもらえたし」
と、みんなによろこばれました。大変なことになっていたんだなと思いました。


夕方、ひと足先にぼくだけ東京に帰りました。
夜、布団に横になって山口の写真を見返しました。
新山口からSLがちょうど発車するところだったので、
動画で撮っていたのです。
激しい汽笛の音は、お別れの合図のようでした。
手を振って見送る子どもたち、 それに応える機関士、
乗客も駅員も、みんな笑顔で、機関車が小さくなって見えなくなるまで、
ずーっと手を振っていたなと思ったら、涙が出ました。
ありがとう、おばあちゃん。お疲れさま。またどこかで会おうね。


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https://www.instagram.com/p/Bj2IvaUh1GY/

「突き抜け15」を作りました。

https://www.instagram.com/p/BiYj3hxBhG_/
「突き抜け15」を作りました。
そして、5月連休の最終日の文学フリマで売りました。
今回は手作りの本(コピー本)です。執筆者たちに次々と赤ちゃんが産まれて
(今回の執筆者のなかでぼくだけ独身なんですけど)、
みんな忙しくて、ページ数がだんだん減ってきて、
印刷所に出さなくても自分でホチキスでとめて本にできるのでは、
どうせ独身で暇だしと思ってやってみたら、とても手軽にきちんとできました。

マックス MAX ホチキス なかとじホッチキス 10号針 15枚 ブラック HD-10DB/K

マックス MAX ホチキス なかとじホッチキス 10号針 15枚 ブラック HD-10DB/K

この中とじ用ホッチキスをAmazonで買って、
2年前にAmazonで買ったレーザープリンターで印刷して、
表紙は東急ハンズできれいな和紙を買ってきて作りました。
プリンターのトナー代を入れても、たぶん3000円もかかっていないでしょう。
15冊作って、すでに11冊売れました。1冊300円で売っているのでもう黒字です。

本作りのことはどうでもよいのでした。
重要なのは内容です。

収録作品:
鈴木鹿「性格の不意打ち」
イガラシイッセイ「ソイラテ水産にまつわる都市伝説について」
たかはしりょうた「デスマーチ
ナギサノコニー「ヒナギクの!受胎メサイヤ
しーなねこ「フルーツ禅」

忙しい大人たちが、何時間もかけてまじめに書いた小説です。
それが300円で読めるのです。内容もおもしろいです。
ぜひ読んでください。あと4冊しかありませんが。

そして、「突き抜け15」を作りおえて、
「受賞目指してがんばるぞい」という気持ちを失いかけていたのではと思いまして、
ふたたび「受賞目指してがんばるぞい」という気持ちで、
初心にかえってやっていこうと決めたのでした。


このまえの土曜日の昼に、yucoさんが「突き抜け」を買いに来てくださいました。
ぼくは午前中に眼科で目の検査をしていて、瞳孔が開きっぱなしでした。
谷根千を散歩して、上野公園の噴水広場へ行ったら屋台が出ていて、
生ビールを飲み、たこ焼きを食べました。うまかったです。
https://www.instagram.com/p/BirGjWjh-_O/
根津の芋甚のクリームあんみつ


「突き抜け」ほしい方はご連絡を。

玄米はうまいし健康にいいんですってよ

おひさしぶりです。まただいぶ間があいてしまいました。


ここのところ玄米を食べています。それと魚と野菜と果物。
小腹がすいたらナッツをかじっています。野菜を炒めるとき
オリーブオイルをたくさん使っています。

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

本の影響を受けやすいのです。この本に書いてある
エビデンスに基づいた健康によい食事をしているのです。
https://www.instagram.com/p/BiQqUNSBIzi/
https://www.instagram.com/p/Bhomoz4hoI2/
こういうのね。炭水化物は白いのと茶色いのがあって、
茶色いの(玄米とか全粒粉とか)は健康によいけど、
白いの(白米とか小麦とか)は食べたら
たくさん運動しないといけないらしいので控えています。
あと、肉は赤いの(豚とか牛とか)はよくなくて、
白いの(鶏肉)はよくもわるくもないそうなので鶏を食べてます。
鶏肉好きなのでよかったです。

玄米ってどうなんだろうと思っていましたが、うまいです。
研がなくていいですし、食物繊維やビタミンも豊富ですし、
いいことばかりじゃないですか。最初は白米と同じように炊ける
やわらかい玄米というのを使っていたのですが、普通の玄米を買って、
白米と同じように炊いてもうまかったので、なんでもいいんだと思います。

1ヶ月ほど玄米、野菜、魚を中心にしていましたが、
気のせいかもしれませんが、身体と心がすこし軽くなったようです。
おととい久しぶりに白米を1杯食べたら、ぼーっとしてしまいました。
いつもぼーっとしているんですけど。


あとこの本も読んで影響を受けてしまって、

レシピを見ないで作れるようになりましょう。

レシピを見ないで作れるようになりましょう。

レシピを見ないで作ってます。スーパーでその日に安めの野菜を買ってきて、
手でちぎって水に浸して、水切り器で水を切って鉄製のフライパンにのせて、
上からオリーブオイルを、もこみちがけして、塩コショウするだけ。
https://www.instagram.com/p/BiedUAPhYWY/
魚も鶏肉も半額のときに買って、塩をふって、
魚焼きグリルで、うまそうになるまで焼くだけ。

https://www.instagram.com/p/BiwlZv4BT7m/

うまいし安いし言うことないのですが、
こういう食生活をしていると言うと、たまに
食べたいものを我慢するほうがストレスになって健康にわるいのでは?
と言われるのですが、もともとそんなに食べたいものがないというか、
食べたいものはありますけど、うなぎとか、カツ丼とか、ステーキとか
(……なんか食べたくなってきたな)。まあ食べないとしたら
それですむぐらいの食欲なのでよいのかもしれません。
食べたいものが食べられなくてストレスになるって、すごいですよね。
どんだけ食いしん坊なんだよ、赤ちゃんかよと思います。


あとそうだ、「突き抜け15」を作りました。
それについては、後日書きますよ。
後日といって、3ヶ月後になったりして(なるなこれは)。
https://www.instagram.com/p/BiYj3hxBhG_/

働いたり本を読んだりしている

年末から1月は忙しく働いていました。
23時過ぎまで会社にいたりしましたが、
家まで10分ほどなので、1時には布団に入っていますし、
朝は8時半まで寝ているので、睡眠時間は充分なのですが、
仕事中ずっと座っているからか体がカチコチになるものですから、
Youtubeでヨガの動画を調べて、猫のポーズと、猫のねじりのポーズをしたりして、
日々やっていることもなんだかよくわからないし、
精神的な刺激に乏しく、疲れましたし、面倒くさいし、
何を食べていたかも思い出せないような日々でした。


ぬるいお風呂に1時間ほど浸かりながら本を読むのはしていて、
この頃は、心理療法的な本を読んでいました。おもしろいです。

認知行動療法と精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談

認知行動療法と精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談

野の医者は笑う: 心の治療とは何か?

野の医者は笑う: 心の治療とは何か?

とくにおもしろかったのは、『野の医者は笑う』でした。
臨床心理士である著者が、沖縄の様々な怪しいヒーリングを体験して、
心の治療とは何かを考察するルポルタージュで、何度も声を出して笑いました。
怪しいヒーリングで実際に心が治療される人がいて、なぜそういうことが起こるのか。
また、近代医学の外側でそういった怪しいヒーリングをしている人たちを、
「野の医者」と名付けて体当たりで探っていくのですが、
常に科学的で冷静な分析と解釈でヒーラーたちに向かっていくので、
読んでいる方がやや冷や冷やするほどでした。
いくつもなるほどと思うところがあったのですが、次のところがぐっときました。

 私たちは科学を信仰する世の中に生きているから、それをいかがわしくは感じない。幸いなことに、患者やクライエントの多くが科学的世界観を持って生きているからだ。だけど、表面的な違いを取り去ってしまえば、実は私たちも野の医者も同じメカニズムにのっとって治療を行っているのではないだろうか。
 アメリカの精神科医ジェローム・フランクは『説得と治療――心理療法の共有要因』という本で、そういう恐るべき結論に達している。心理療法が人を癒やすことができるのは、治療者がクライエントを説得するからなのだと。
 つまり、「無意識を意識化すること、無意識の自己実現を助けること、不適切な学習を解除し、適切な再学習を行うこと」という治療者の説明モデルがクライエントを巻き込むことで、治療が生まれる、そういう結論だ。
 だからフランクは、すべての治療の本質は科学的真実ではなくレトリックにある、とまで書く。

完全に信じきることができる治療のモデルというか、
よくなっていくとかこうなりたいといった理想的な自分になるための筋書きと、
それが実現していく仕掛けというか理屈・世界観などをひっくるめたシステム、
それをストーリーといってよいと思うのですが、
ストーリーをどれだけ強く信じきれるか、思い込めるかで、
人間は変わっていくものだなと思いました。

『野の医者は笑う』では心の治療について書かれていましたが、
上のようなことは治療以外の様々なことについて言えることだなと思いました。
たとえば、「モテたい」というのもそうだと思うのです。
ぼくは10年ぐらい前に、「モテたい」という一念から、
強烈なストーリーを描いて信じきっていた(ストーリーの中で生きていた)と思うのです。
「MMK(モテて・モテて・こまらせて)」プロジェクトとかいって、
毎週のように合コンをしたり、M-1グランプリに出たり、ブログを書いたり、
リアル桃鉄をやったり、小説の同人誌を出したり、
とにかく活動的でした。軽い躁状態だったと言えます。
「世界平和」と「人類の大願成就」も本気で願っていて、
へもいっ子クラブって宗教じゃないよねと言われたりしました。
それが原動力になっていましたし、理想としていた自分に本当に近づけていたのは、
ぼくのなかに信じきっていたストーリーがあったからなんだなと思いました。

で、いまそういう信じられるストーリーがなくなって、ぼんやりしているのですが、
かつてモテたいという強い欲求を持って、ストーリーを信じきれていたのは、
ある意味病んでいたのかなとも思ったりしました。
と思っていること自体がストーリーであるとも言えるのですが。


認知行動療法精神分析が出会ったら―こころの臨床達人対談』も
おもしろかったです。
『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。』の
著者の伊藤絵美さんと、精神分析家の藤山直樹さんが対談をしています。
いまは認知行動療法がすごく流行っているらしく、
一方の精神分析はお金も時間も(10年で1000万とか)かかるし流行っていない。
対比がおもしろかったです。
『野の医者は笑う』に「心の理療は時代の子」という言葉がありましたが、
時代に合った治療があるのかなと感じました。
藤山直樹さんが落語をやっているというのもあって、認知行動療法精神分析が、
テレビのお笑いタレントと落語家みたいだなと思いました。



それで、まあ、これから自分がどうやって生活したり、
活動をしたりしていくかを考えたりもしています。