今年のリアル桃鉄は、かつてない規模になりました。
全16チーム32人。さらにゲームマスターや実況やお手伝いを
してくれた方々を含めると40人近くになったのでした。
で、規模が大きくなると注目度も上がるようで、
なんとメディアから取材を受けることになったのでした。
日刊サイゾーで記事を書いているアサイさんという女性が、
「リアル桃鉄体験レポートを書かせてください!」
と連絡してきたのです。
もちろん受けることにして、
取材に対してリアル桃鉄の本質を正しく伝えるには、
第1回からやっている僕に付いてプレイした方がいいだろう
ということになり、僕とアサイさんとでチームができました。
チーム名は、「しーなサイゾー」。
丸1日密着取材されるなんて、
情熱大陸みたいじゃないか
と内心わくわくしました。
7:00 東京駅
しーなサイゾーのスタート駅は東京駅。
早朝の東京駅八重洲口に現れたライターのアサイさんは、
なんか蜃気楼のように、
へなへなしてました。
どうやら、前日から一睡もしていないそうです。
どうして眠らなかったのですかと聞くと、
「早起きが苦手なので、寝なかった」
とのことでした。大丈夫だろうか、いろんな意味で。
かくいう僕も、前日はリアル桃鉄前夜祭で深夜に帰宅して、
頭がまだ眠っているような状態。
チームが揃ったことを伝える写真を投稿して、
ゲームスタート!
ぼんやり。
(アサイさんがブログに投稿したコメント)
どこのチームよりもボケーっとした表情の我々の写メを見て脱力。
だって眠いんだもん。
たしかに、情熱的なものがさっぱり感じられない。
情熱大陸どこへ行った。
最初の目的地は「尻手」。
7:40 矢向
駅についたらカードを引いて、書かれた指令をこなします。
指令はアサイさんと交互にこなすことに決めて、
最初の1枚は「キングオブ・リアル桃鉄」の異名を持つ僕が、
「お手本を見せます」
と言って率先してやることにしました。
そして、出たカードがこれ。
カード:「沢尻エリカード」
尻を片方出して写真をとる。
無理だろう……、1発目からこれかよ。
と唖然としていたら、
「早く尻出してください!負けるじゃないですか!」
とアサイさん。僕が尻出しをためらっているうちに、
ライバルにゴールされてしまうと慌てているのです。
しかし、まさか本物の尻を出すわけにはいかないから、
きちんと代替案も用意してあって、
「※銅像の尻とか、桃とか尻のような何かでも可」
なので、いったん駅から出ましょうよ。
と提案したのですが、
「早く!早く!わたし負けたくないんです!」
と、尻出し要求を1ミリも下げずに押し続けるので、
かなり抵抗したのですが、最終的に気迫に負けて、
「……じ、じゃあ、あの影で出します……」
(アサイさんのコメント)
このカードを引いた時刻は7:48。
駅のホームで尻を出すしーなねこさん(アラサー)の写真を
テキパキと撮る私。これは一体なんのプレイだろうか?
僕はこれで眠気が完全に覚めました。
このあとサイコロを振って川崎まで戻っているうちに、
他チームにゴールされる。どうせすぐにゴールされるんだったら、
尻出さなくてもよかったんじゃないかと思う。
次の目的地は「幕張」に決定。
8:00 川崎
川崎駅で他チーム(武蔵野カープハワイアンズとU51)と遭遇。
チームが16チームもあるので遭遇率がとても高かったです。
サイコロを振って、他チームより一足先に東海道線に乗りました。
発車時刻になったとき、U51チームが電車に乗ろうと
階段を急いで下りてきたのですが、
その様子を見たアサイさんの一言が忘れられません。
「早く(ドア)締まれ!」
そして、この辺りから、
アサイさんが超本気で勝ちたがっている
ということがわかってきたのでした。
8:20 新橋
無事に電車に乗れたU51のウエダさんと、
ユウコさんとなごやかに談笑し、新橋に着いたときでした。
ウエダさんが、
「じゃあ、我々はここで」
と言って降りてしまいました。
「あれ?なんでですか?幕張まで行くなら東京から京葉線では?」
と聞いたら、
「作戦がありますんで(笑)」
とのこと。不敵な笑みで降りていくU51を見送って、
ドアが閉まるギリギリになったときでした。
アサイさんがとっさに、
「降りましょう!」
と提案。とりあえず我々も降りました。
そして、U51に気付かれないようにあとを追って、
総武線の別の車両に乗りました。
なるほど、ここでU51の「作戦」がわかりました。
東京駅から京葉線のホームまで歩くと15分くらいかかるので、
新橋から総武線に乗った方がタイムロスにならない。
ということですね。
それにしても、さすがアサイさん。
とっさの判断でライバルチームの作戦を盗むとは。
勝つためには手段を選ばない女です。
そして、これは頼もしい反面、僕にとっても恐怖でした。
なぜなら、これから尻出し以上にひどいカードが出ても、
有無を言わさず、僕にやらせるに違いないからです。
ああ、どうなってしまうのだろう。
この人の勝利への情熱についていけるのだろうか。
と思ったのですが、いや、ちょっと待て、アサイさん。
そういえば僕、インタビューとかされた覚えないですし、
アサイさんが写真を撮ってる姿をほとんど見てない
(肩から一眼レフを下げているのに)のですが、
もしかして、
取材ってこと忘れてませんか!?
(つづく)