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頭がかゆかったり、蒸し暑かったり、むずむずする。

日差しが強くて駅についたら上着を脱いで、
半袖になりました。蒸し暑かったですね。
花粉症なのか目が熱くて、顔もかゆくて、
なんだか体が重いのですよ。で、いろいろ面倒になって、
何もやる気が起きなくなるのです。


それで、家に帰る途中に本を読んでも、
意識が文字に引っかからずにつるつる滑って、
なんども同じところを視線でなぞって目ばかり疲れました。


家に帰って豚肉の生姜焼きを五枚と炊き込みご飯と、
たくあんと、きゅうりの漬物を食べて、味噌汁を飲みました。
居間にいるとテレビや家人の声が騒がしくて耳が疲れるので、
部屋に入って、線香をたいて、本を読みました。
多少気分が静まってきましたが、まだどうにも、
気圧の変化の激しさか、生ぬるい空気のおかしな臭いか、
神経が地についていないような、気が体から離れているようなで、
どうしたものかと思いながら、お風呂に入りました。


湯船に浸かって、ほんとうにほんとうに、ゆっくりして、
手のひらで顔のかたちを確認するように触れて、
触れられた顔からも手の感触をよく感じるようにして、
吐く息の音や、お湯のちゃぽんという音をよく聴いていたら、
静かな日本映画を観たあとのような気持ちになりました。


僕という人間がお風呂に入っている。
そういうシーンを映画で観ているような気持ち。
体を拭く時のタオルの音、ブラシの入った引き出しを開ける音、
髪に含まれた水分が吸い取られていく感じ。
精神を静かにするコツは、客観的になって、
自分を遠くから観察することだと思いました。
そうするとごちゃごちゃした感情を客体化できる。


お風呂から出たら、外はすごい風で、
嵐のようでした。明日はどんな空になるのでしょう。
穏やかにいきたいものです。みなさんもお元気で。