健康診断があったり、ボードゲームをしたりした。おのしゅうの昔と今

9月8日(金)

朝から健康診断でした。
何も食べずにいたので、お昼はがっつり食べました。
問診はそのときに着ていた「へもねこ」のTシャツがメインになって、
野良猫をさわったあとは、手を洗わないといけませんよ
みたいな話で終わってしまいました。
https://www.instagram.com/p/BY138gwAdDc/
https://www.instagram.com/p/BYxvng-gUtd/

9月10日(日)

湯島の「アカデミー湯島」という施設の和室(21畳)で、
ボードゲームをしました。おのしゅうさんと2名で。
他にも何人か来るかと思っていたのですが。来ませんでした。


最近、おのしゅうさんが太りすぎているという話になり、
いつからそうなったのか、さかのぼって写真を見たりして、
並べてみたりしました。その結果が下の写真です。

https://www.instagram.com/p/BY2aOqagmix/
左上:2002年(20歳)、右上:2009年(26歳)
左下:2011年(28歳)、右下:2017年(34歳)

何度見ても笑えます。
右下のなんともいえない表情から、いろいろな妄想ができます。

・現役を退いてお好み焼き店をはじめた元プロ野球選手
・おしゃべりが多く、手の力が異様に弱いマッサージ師
・遺伝子の研究をしている日系アメリカ人

他にも思いついた方がいましたら、コメント欄にお願いします。

https://www.instagram.com/p/BY2hXeYAfOm/


17時半で会場を出て、湯島のタイ料理店「サイアム食堂」へ。
小宮山さん、なおさんが合流して食事をしました。
どの料理もうまく、お酒を飲みすぎました。
有意義な話ができた気がしますが、あまり覚えていません。
ふらふらと、歩いて帰宅しました。

うしろめたさについての考察

心のなかに、うしろめたさがあると、
無意識が心と体を使ってそれを解消しようとするのを感じます。
具体的には、体調を崩すとか、不注意によるケガといった
かたちになることが多いように思います。

そういう不運にあうと、
うしろめたいことをしたからバチがあたったとか、
だれかから恨まれているのではと考えて、
外部に不運の原因を探して納得しようとするのかもしれません。
実際は自分の内部から起こっていることなので、そういう意味では、
うしろめたさは自分にかける呪いといえるように思います。

一方で、良心に合ったこと、前向きなことをすれば、
無意識が心と体を調和した状態にもっていってくれるように感じます。
それが元気や物事がうまくいくといったかたちになって表れて、
相手のおかげだと感謝したり、ご利益があったと思うのかもしれません。

不幸にならないために、うしろめたさが残ることはせず、
幸せになるために、前向きに、よいことをする。
きちんと自分を観察してコントロールしないと、
怒りたくないのに怒ってしまうとか、
嘘をつきたくないのについてしまうとかして、
うしろめたさを抱えてしまう。

自己欺瞞(自分に嘘をつく)がよくないのも、
こういうことなのかもしれません。
よく生きたいものです。ほんとに。

料理したり、銭湯に行ったり、本を読んだりしています。

会社にいて、17時ぐらいになると「夕飯なににしようか」と考えます。
SNSを見て、だれかが食べていたものとか、レシピのなかから、
これが食べたいなと思ったら、材料を調べておきます。
地下のピーコックストアにはたいていあって、
ピーコックストアになかったり高かったりするものは、
自宅付近の肉のハナマサかサミットで揃えたりします。

https://www.instagram.com/p/BYaf6zigwvQ/
タコライス(チーズがとろけてませんが)


https://www.instagram.com/p/BYnpDB9gYnQ/
えびとほうれん草のクリームパスタ


https://www.instagram.com/p/BYqIA43A0Qv/
なすとパプリカの甘酢炒め

冷やした白ワインや、日本酒とあわせていただくと、
われながらうまく、幸せな気持になるのですが、
毎回2~3人分作ってひとりで食べるので食べすぎます。


9月2日(土)

洗濯や掃除をしていると昼をすぎますね。
夕方まで読書をして、鶯谷に最近オープンした銭湯「萩の湯」へ行くことにして、
手ぬぐいを持って家を出ました。途中、千駄木の古書ほうろうに寄って、
『埴原一亟古本小説集』を買いました。「埴原一亟」という名前、
どう読むのかわからないし、どういう作家なのかも知らなかったのですが、
どうもおもしろいらしいので、読むのが楽しみです。
「はにはらいちじょう」って読むのですね。

埴原一亟古本小説集

埴原一亟古本小説集

歩いて1時間半ほどで「萩の湯」着。
4階建てのビル。都内最大級の銭湯らしいです。
でかかったです。 炭酸泉、ジェット、
光マイクロバブルの半露天、熱湯、水風呂、どれも十人ほど入れて、
もっとも混雑してそうな時間帯だったのですが、ゆったり入れました。

スーパー銭湯級の施設で銭湯料金、460円。
サウナは別料金ですが朝風呂(6~9時)の時間帯は無料らしいです。
また行きたい、いや、行くと思いました。本当によかったです。
https://www.instagram.com/p/BYioq-4gc2q/

帰りも歩いて、日暮里、谷中銀座商店街の
お弁当屋さん「トーホー」がまだやっていたので、
チキンカツ弁当(大盛り無料)450円を買って帰りました。
帰って明け方まで読書。

9月3日(日)

昼ごろに起きて読書しながら、宅配便が届くのを待ちました。
https://www.instagram.com/p/BYkEnsIALmC/
セレブになるための本かなにかに、
お金持ちになるコツは「まとめ買い」とあったのを読んでから、
日用品はまとめ買いをするようにしているのですが、
去年は浴槽ぐらいのサイズのティッシュを注文してしまって、
置き場がなくて、家のあちこちに分割して、なんとか収納して、
結局1年間ティッシュを買わずにすみました。
まとめ買いはおトクなうえに、買いに行く手間や時間が省けます。
だけど部屋が狭いので、最近は数カ月分買っています。
で、上の写真のようになってしまっています。


そのあと、湯島天満宮の「謝楽祭」へ行きました。
https://www.instagram.com/p/BYqdmd9gBU3/
落語協会の噺家さんたちが、屋台で食べ物や飲み物を売っているのです。
この前お蕎麦をご馳走してくださった三遊亭金也師匠は、蕎麦ではなく、
生ビールを売ってらっしゃって、ご挨拶をして1杯買いました。

ビールとチキン南蛮をいただいてから、本郷三丁目のアンモナイトで
コーヒー豆を200g買って帰りました。

このごろ

本を読んだり、人と関わったりするなかで、学ぶことが多いです。
精神分析の本で読んだようなことを通して、自分を観察することで、
人をより理解できたらなあと思います。
相手のことをきちんと考えて、執着を手放し、自分にウソをつかず、
誠実になるよう気をつけてやっていれば、
怒りとか悲しみといったネガティブな感情は生まれないのだなと思いました。
経験を与えてくれたことへの感謝とか、あたたかい感情がどこからか湧いてきて、
それによって自信をもって生きられるのだなと思います。
https://www.instagram.com/p/BYpSrOFg7CC/

日本酒フェスへ行ったり、タンドリーチキンを作ったりしています

9月1日(金)

「日本酒フェス2017」というイベントに行きました。
同僚のKさんが誘ってくださって、Kさんの前職の同僚のSさんと3人で。
場所は有楽町の交通会館の12階。

こういう広いフロアに40ほどの酒造が集まって、
好きなお酒を説明をうかがったりしながら飲めるのです。
チケット1枚(前売り3000円)で、お猪口10杯いただけて、
飲み始めは10杯じゃ少ないなと思っていたのですが、
ゆっくり飲むからか立っているからかなんなのか、
7杯目ぐらいで、「あ、10杯いけるかな」ってぐらいに、
ほどよく酔いが回ってきて、Kさんが持参したチーカマと、
Sさんが持参したチーズ(どちらもチーズ!)をかじりながら、
酒造による味・香りの違いを楽しみました。

お酒のイベントだから、酔っぱらいとか出そうなものなのに、
みなさんきちんと飲んで帰っていって、えらいと思いました。
我々も1時間半ほどで、10杯しっかりいただいて会場を出て、
出たところすぐにあった中華料理店で、炒飯などを食べて解散となりました。

いやあ、心地よくて、いいイベントでした。
Kさんありがとうございました。


ところで

タンドリーチキンをよく作っています。
ヨーグルトにカレー粉、黒こしょう、にんにく・しょうがすりおろし、
ケチャップ、オリーブオイル、チリなど、よくわからないのですがいろいろ入れて、
それっぽくなってそのまま舐めたくなる感じになった液体に、
レモン汁と塩で揉んでおいた鶏むね肉と鶏もも肉を
食べやすいサイズに切って、フォークで念入りに突き刺したものを
ビニール袋に一緒に入れて、冷蔵庫に入れておきます。

毎日、朝か昼にふたつぐらいを魚焼きグリルでゆっくり焼いて食べました。
一週間ぐらいもつらしいです(冷凍ならもっともつ)。


ヨーグルトは、「おいしい牛乳」を100cc飲んで空いたところに、
「ヨーグルトR-1ドリンクタイプ」を1本(約100cc)入れて菜箸でかき混ぜて
ヨーグルトメーカーに入れると一晩で大量にできておすすめです。

使わなくなるのではと思っていましたが、ずっと使っています。

https://www.instagram.com/p/BYbviqcgOxt/

あと、タンドリーチキンの肉は、
むね肉ともも肉どちらがよいかというのがありますが、両方うまかったです。
むね肉のあっさりと、もも肉のしっとりがあるといいので、両方やってます。
しかもどちらも安い!

最近読んだ本

自信を育てる心理学 「自己評価」入門

自信を育てる心理学 「自己評価」入門

自己評価(セルフエスティーム)について。思い当たることがたくさんありました。
自己評価の歪みを認識して正すためにやるとよいことがエクササイズとしてあって、
一度通しで読んだので、もう一回エクササイズのところをやりながら、
ゆっくり読もうと思います。
『菜根譚』からはじめる つながらない関係――世間に染まらず、世間を生きぬく

『菜根譚』からはじめる つながらない関係――世間に染まらず、世間を生きぬく

中国の明王朝末期に生きた洪自誠の『菜根譚』のポイントを
訳と解説で教えてくれるもの。修行をわかりやすく書いた
これまでの小池龍之介さんの本と内容はあまり変わらず、
そうであるよなあとしみじみ再確認するような気持ちで読みました。
定期的に読みたくなるんですよね。
なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉

なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉

そもそもデザインとは何なのか、と思って買いました。
もっと早く買って読んでおけばよかったと思いました。
デザインは「どんな人に・何を・なぜ・いつ・どこで」伝えるかを前提にすること、
デザインのプロセスで具体的に行うことが書かれていて、非常に勉強になりました。
また、コツやデザインをするうえでの基本(フォントとか字の組み方など)も、
丁寧に明快に伝えられていてすごいです。
つまり、この本自体が、本の中で解説しているデザインという概念そのものを体現していて、
非常に読みやすくわかりやすく、説得力がマジぱありませんでした。
ビジュアルにかぎらず、あらゆることに応用できる考え方なのですね。
ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

おとといぐらいから急に寒くなったので、
夜はエアコンを消して、窓を少しだけ開けて寝ています。
涼しくて、胸の内を風が吹き抜けていくようなさみしさを感じる、
いまぐらいの気候が好きなのですが、これは高校生ぐらいからそうだったので、
当時の気持ちも同時によみがえって、いっそう不安になるのです(それが心地よい)。
そういう気持ちになる小説でした。

ウルトラマンを見たり、トリエンナーレを見たりしました。

8月27日(日)

年に何度か同行させてもらっている子連れ散歩部でした。
元同僚のI君の子どもたちと、現同僚のK君とぶらぶら適当に歩くもので、
池袋サンシャインシティで開催中の
「ウルトラマンフェスティバル2017」を見に行きました。

今回のメンバーは、子どもたち含め、
最近のウルトラマン事情をだれも知りませんでした。
そもそもウルトラマンの世代ではなかったような気がします。
子どもたちは、ウルトラマンをこわがって一緒に写真をとることもできませんでした。
たしかにウルトラマンって、ちょっと不気味ですよね。とくに怪獣はほんとにこわい。
子どもたちはとてもかわいくて、一緒にいると発見もあり、心が洗われます。

ウルトラマンのあと、サンシャインシティ内の沖縄料理店で、
沖縄そばとかを食べながら、ゆっくり話したりしました。
店を出たところ、けん玉大会が大々的に開かれていて、
観客もたくさんいて、大画面で映されていました。
「文部科学大臣杯『全日本少年少女けん玉道選手権大会』」
これが、非常におもしろかったです。
結局、男女の優勝が決まるまで1時間は見ていたのではないでしょうか。
K君もI君も釘付けで、子どもたちは途中で飽きて、
ぼくらの足元で追いかけっこをしていました。

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もっとも白熱した決勝戦、関東ブロック代表の少年は見るからに天才肌で、
玉の軌道に無駄がなく、動作も最小限。まるで精密なからくり人形のように、
同じ動作を繰り返して、ぼくらの観戦中でミスをしたのはたった1度だけでした。
対する東海ブロック代表の少年は、足でリズムを取ったり、
ひとつひとつの動作がダイナミックで、エネルギーが溢れている感じでした。
どちらも一歩も譲らず、延長戦になり、最終的に時間競技になりました。
よーいスタートで二人同時に開始して、
複数の技をノーミスで連続で早くこなした方が勝ちというもの。
先に旗が上がったのは、天才肌の少年の方でした。
それまでからくり人形のように感情を見せてこなかった少年が見せた
ガッツポーズに感動しました。と、同時に負けてしまった少年も、
最後までよく頑張ってえらいと思い、泣きそうになりました、ぼくが。
少年たちは泣いていませんでした。クールです。

いやあ、いいもの見ましたね。と言い合って帰ってきました。
また遊んでください。


夜、湯遊入浴デー(百円で入れる日)なので銭湯へ行ってきました。
文京区の六つの銭湯が対象で、うちからもっとも近い「ふくの湯」は、
新しく清潔感がありデザインもよいのですが、お気に入りは「富士見湯」です。
大きくて水風呂があり一段と風情があります。
https://www.instagram.com/p/BYTSRutgjfA/



8月29日(火)

朝寝して、掃除して、横浜トリエンナーレを見に行きました。
電車に乗って、今月は2度目のみなとみらい。
鑑賞前に横浜美術館すぐ近くのレオーネ・マルチアーノというイタリア料理店でランチ。
前菜、パスタのボリュームがあって、うまくて大変よかったです。

トリエンナーレは、なんだかんだで毎回見ているように思うのですが、
回を追うごとに、少しずつ寂しくなっているような気がします。
https://www.instagram.com/p/BYXxGZNACxp/
世の中にすごいものがありすぎるからでしょうか。
だれもがテクノロジーや材料を使って何かを作ることができ、
よいものはネットで爆発的に広がって見ることができるし、
毎日、毎時間ごとに、天才的なだれかによって、
世界中ですごいものが産み出されつづけているからかもしれないと思いました。

アートにかぎらず、Webコンテンツとか、文章とか、写真とか、
なんでもそうで、みんなが競争相手みたいな状態になってくると、
どうなっちゃうんだろうと思いました。


赤レンガや黄金町へは行かずに、GUで安いシャツを二枚買いました。
野毛で飲んで帰ろうと思ったのですが、暑さからかふらふらしてきたので、
帰りました。帰り道、日暮里駅をでて谷中銀座の惣菜屋さんで焼き鳥を買って、
夕飯にしました。
https://www.instagram.com/p/BYYB3RPAAwN/
茄子は切込みを入れて、多めの油で両面を焼いて、
しょうゆ、みりん、白だしをまぜたものに漬けて冷やしたものです。
かつお節と、しょうがを少し付けて食べるのが好きです。
あと、このお皿も買いました。いいでしょう。

『幸福は日々の中に。』を観てきました。

8月25日(金)

『幸福は日々の中に。』という映画を観てきました。
友人のYUさんが渋谷でスペースを借りて自主上映をする
というのをFacebookで読んで、おもしろそうだと興味を持ちました。

「しょうぶ学園」という鹿児島にある知的障がい者施設を撮った
ドキュメンタリー映画で、いろんなことが頭に浮かんできました。
施設の中で障がい者の方は、彫刻したり、陶器を作ったり、木工したり、
糸を編んだり、紙を作ったり、それぞれやりたいことを自然に選んでやっていて、
そればかりやるので熟練して、ユニークな作品をたくさん作っていました。

また、障がいのためか、将来のこと(お金や仕事や病気のこと)を
考えたりして不安になることもなく、まさに今を生きているという感じで、
役割とか世間体とかも意識せず自由に見えて、それは理想的な生き方で、
ぼくらのいる健常者のコミュニティは窮屈に感じられ、普通とは何なのか
ということを考えさせられるな、というのが、
おそらくこの映画を観たときに出てきやすい感想だと思いました。
上映後に映画を観た人たちで感想を共有する時間があって、
そういう感想もありましたし、ぼくもそういう感想が浮かんだのですが、
より興味があったのは施設の運営みたいなところでした。

作品をどうやって作品として成立させているのか、どうやって売っているのかとか、
そのあたりは映画にはあまりなかったのですが、しょうぶ学園の園長さんや、
施設のスタッフの方たちが、うまくかたちにしているようでした。
しょうぶ学園の人たちによる「otto & Orabu」という音楽グループの演奏を見ると、
音楽の骨格になるところは、スタッフの方がきちんと押さえていて、
その上で障がい者の方が独特なパフォーマンスをすることで、
ハチャメチャなのに空中分解しない、お互いのよいところが高度に融合した、
不思議で感動的な音楽になっていて、なるほどなあと思いました。

紙を漉くひとは紙を漉くことだけ考えてやって、
糸を編む人は糸を編んで、編み終えて飽きたら捨てちゃうらしいので、
スタッフの人が考えて、紙を絵を描く人のところに持っていくと、
すぐに絵を描き始めたり、糸をミシンを使うひとに渡すと服に縫い付けたり、
特技やキャラクターに合わせたコーディネートが見事であることと、
出来上がった作品を「しょうぶ学園」のブランドで販売する能力がすごいと思いました。



あと、唐突ですが、中原中也の『芸術論覚書』を思い出しました。
芸術と生活の関係について。

一、芸術を衰退させるものは、固定観念である。いってみれば、人が皆、芸術家にならなかったということは、たいがいの人は何等かの固定観念を生の当初に持ったからである。固定観念が、条件反射的にあるうちはまだよいが、無条件反射とまでなると芸術は枯渇する。

 芸術家にとって世界は、すなわち彼の世界意識は、善いものでも悪いものでも、その他いかなるモディフィケーションをも許容できるものではない。彼にとって、「手」とは「手」であり、「顔」とは「顔」であり、A=Aであるだけの世界の中に、彼の想像力は活動しているのである。したがって、「面白い故に面白い」ことだけが芸術家に芸術の素材を提供する。あたかも、「これは為になる、故に大切である」ことが、生活家に生活の素材を提供するように。

一、しかも、生活だけするということはできるが、芸術だけするということは芸術家も人間である限りできない。こうして、そこに、紛糾は、およそかつて誰も思ってみなかったほど発生しているのであるが、そのことを文献はほとんど語っていないというのも過言ではない。こうしてここでは「多勢に無勢」という法則だけが支配し、芸術はいつもたしなめられるが、しかも生活側が芸術をたしなめようとすることこそ、人類が芸術的要求を持っているということであり、芸術的要求の生活側での変態的現象である、と言える。何故ならば、無勢であるために多勢にとって覗き見ることがむずかしいものをたしなめることは、また、芸術側が面白い故に面白いものだけを関心するのに相似し平行している。

「生活だけするということはできるが、
芸術だけするということは芸術家も人間である限りできない」
というのをできるようにしてしまうこと。
「しょうぶ学園」はこういうところをやっているのだと思いました。


イベント後に、YUさんと今回のイベントのスタッフの方と、
この映画のプロデューサー相澤さんと飲みながらお話できたのですが、
相澤さんのお話が大変インパクトがありました。
映画プロデューザーが本職というわけではなく、
相澤さんの「みんなに無事に生きていてほしい」という願いが中心にあって、
そのために建築家や編集者として様々な活動をしてらっしゃるとのことでした。
最近は九州北部豪雨災害の支援に奔走されたり、
「震災リゲイン」というNPO法人の代表として活動されたり、
活動のすごさもですが、エネルギーのすごさにも圧倒され、
自分が恥ずかしくなりました。
29r.jp


「しょうぶ学園」の話も、相澤さんのお話もですが、
特性、やりたいこと、願い、思想、愛、環境、プロデュースといったキーワードで、
多種多様な人々が補完し合って、力を発揮して、
実現できないと思われていたことを実現したり、
解決できないと思われていた課題を解決したり、
そういうことなんだなと思いました。


話はやや逸れますが、いま『9プリンシプルズ』という本を読んでいて、
「権威より創発」「プッシュよりプル」「地図よりコンパス」という概念
(まだ3章までしか読んでいないから3つだけですが)、
それのことだ、まさにそういうことなんだと思いました。

とてもありがたい夜でした。ありがとうございます。

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために