ボートレースへ行ったときのこと

8月15日、平竹さんのお誘いで、
ののほさんと3人で競艇へ行ったのだった。
いまは競艇のことを「ボートレース」と呼ぶらしい。

場所は多摩川ボートレース。府中本町から無料送迎バス。
車内はレース情報新聞を熱心に読んでいる人が多い。
12時集合で、11時半頃に着いて入り口でおふたりを待つ。
バスの乗客たちが、レース場に吸い込まれて見えなくなると、
新聞を売るおばあさんと、交通誘導のおじさんだけになった。
炎天下、ジュースを1本買って飲む。

ボートレースだけでなく、ギャンブルをするのは初めてなので、
絶対損すると思い、どうやって被害を最小限にとどめるか
そればかり考えていた。掛け金がいくらからかもわからないし、
買い方もわからない。もし予想が的中しても、
自分が当たったことすらわからないのではと思った。


ののほさんはスマホを水没させたそうで連絡が取れず、
先にいらした平竹さんと中に入ることに。
入口にあるレース表を見ると、ちょうど、
次のレースの購入〆切直前だった。
「さっそく買ってみましょうか!」
と平竹さんが言って、早足で購入場所へ向かう。
どうも会場のBGMのテンポが、チャカチャカとやたらと早い。
スーパーマリオが時間切れになるときみたいに焦らせられる。

マークシートに記入して機械に入れて買う仕組み。
適当な数字に鉛筆で印をつけて、券売機に入れてみた。
ところが、すぐにマークシートが、ベーッと吐き出されてしまった。
平竹さんのも差し戻し。記入にミスがあるらしい。
「まもなく〆切です」という場内アナウンス。
BGMはさらに早く(?)なり焦って、あわわわとなる。
ガードマンのおじさんが見かねて、ぼくらのところまで来て、

「ここにマークして! それから、ここは消さないと!」

と指導してくれて、書き直して、また入れて、
差し戻され書き直しているうちに、
時間切れを告げるサイレンがけたたましく鳴り響いた。

買えなかった……。

と思ったのだけど、窓口からおばさんが顔を出して、
手伝ってくれてなんとかぎりぎり買うことができた。
おじさんもおばさんも

「よかったねえ!」

と、我がことのように一緒によろこんでくれた。
https://instagram.com/p/6Z43CTiwtg/
そのレースは見事に外れた。
買えないほうがよかったのだ。100円だったけど。


そのあと、ののほさんが合流。
券の買い方もわかってきた。しかし、
どの番号を買えばいいのか全然わからない。
そこで、Twitterで「多摩川ボート 予想」と検索すると、
プロっぽい人が最終レースまでの予想をつぶやいていて、
見ると直近の結果が惜しいながらもいい感じだったので、
この人の予想通りに買うことにした
(少なくともぼくが予想するよりずっといいはず)。
https://instagram.com/p/6Z5JpsCwt-/
すると、なんということでしょう。第7レースで、
3連単(1位から3位までを順番通りに当てる買い方)が、
見事に当たってなんと掛け金が19倍になった。
(100円しか買っていないので1900円だけど)。
これには、平竹さんもののほさんも、ぼくもびっくり。

よおし、このあとのレースもこの人の予想通り買うぞ、
とツイートをよく見たら、なんと去年の3月のツイートだった。
まったくの偶然だったのだ。こんな複雑な気持ち久々で、
このあとは、何を信じてよいのかわからなくなった
(自分の弱さを実感しました)。


3人ともボートレースは初めてで、買い方にそれぞれ個性が出た。
平竹さんは1レース100円までで、もっとも確率の高いものを、
順不同でもよい買い方をする。
ののほさんは、1レースに500円くらいかけて、
確率は低いけどハイリターンを狙う。
ぼくは1レース200円で、100円は堅く、100円は直感。
結果、ぼくと平竹さんは、プラスマイナス0。
ののほさんだけ数千円のマイナスだった。

レース場を出て、喫茶店で反省会や、
おしゃべりをして帰った。
ボートレース場は、想像していたよりずっと清潔で秩序があり、
土地柄がよかったのか、みんな穏やかに遊んでいる感じがした。
ひとり、すごい大きな声で叫んでるおじさんがいたけど、
それもまたよいアクセントになっていたと思う。
また行きたいかというと、あまりそうは思わないけど、
たのしい思い出になったのだった。


ところで、この日は本当はみおさんのお宅で、
猫を触らせていただく約束をしていたのに、
すっかり忘れてLINEで気づいたときにはボートレース場にいて、
大変申し訳ないことをしてしまったと思い、反省した。
猫から離れて、ボートレースをしているということが、
より罪悪感を増すこととなった。しょぼん。