読書したり映画、筋肉。草津旅行、プロレスリングからの出社

6月8日

横浜駅の西口にあるマッサージの店へ行った。
足裏をやってもらった。四十分で三千円。
効いたような効いてないような感じでユニクロに行き、
肌着やシャツやズボンをまとめ買いしたら、
ユニクロなのに一万五千円もして少しうろたえた。
けど、あれだけ買ってこの金額なら安いのだと思う。
上大岡へ戻って焼鳥。

6月10日

咳が止まらなくて困った。かなりひどく、
寝ていても咳で目が覚めるほど。とツイートしたら、
玉ねぎを試してみてくださいとアドバイスをいただき、
輪切りにしたものを枕元に置いて寝たら、よくなった。
調べたら同じようによくなったという人がおどろくほど多い。
(クックパッドの「つくレポ」に治ったの声がたくさん)
けど、科学的な裏付けはなさそうなので気のせいだと思う。
ぼくは思い込みが強いので、人一倍プラシーボ効果が出る。
とにかく治ればなんでもいい。
ウチの副作用無し咳止め&安眠方法☆玉ねぎ by Spain [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが175万品


プラシーボといえば、この本がすごくおもしろかった。

社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)

社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)

日本でもわりと耳にするホメオパシーについて、
ホメオパシーというのは超薄い毒でこれを病人に投与すると、
症状が抑えられて、健康状態が改善するというもので、
どれくらい薄いかというと、

ではフランスで販売されているホメオパシーに相当する一〇〇の三〇乗まで薄めてみましょう。(中略)立方体のプールを想像して下さい。一辺の長さが太陽から地球までの距離(およそ一億五〇〇〇万キロメートル)の二〇〇万倍ある巨大な立方体です。一〇〇の三〇乗は、このプールに一ミリリットルの活性物質を溶かした場合に相当します。
p.54

これくらい薄い、というか希釈後に成分の分子が残る確率は
ゼロだけど、効果が出ている人はたくさんいる。
その理由はプラシーボ効果だというのが医学界の見解だそうです。

プラシーボ効果は心理現象だから、処方の仕方が効果を大きく左右します。胃潰瘍の患者にプラシーボを与え、「この薬は新しく開発されたばかりで非常に効果が高い」と医師が説明した場合には七割の患者に向上が認められた一方で、看護婦が事務的に出した場合には患者の三割以下にしか有効性を示しませんでした。投与の仕方によっても効果は異なる。プラシーボは錠剤・座薬・筋肉注射・静脈注射・点滴など様々な形で処方できますが、ほぼこの順で効果も高まります。
p.57

そういえば、前に胃カメラをするときに、
点滴で麻酔を入れることになって、腕に点滴の針をして、
上の方から液がぽたぽた垂れているのを見ていたら、
とたんに眠くなってうとうとしたのだけど、
「しーなさん、まだ(麻酔は)入れてませんよ」
と看護師さんに笑われたことがあった。
それはそうとして、さらに興味深いと思ったのは、
フランスではホメオパシーに健康保険が適用されていて、
効果が曖昧だから適用から外すべきという意見もあったそうなのですが、

保健大臣に就任したフィリップ・ドゥスト=ブラジはホメオパシーの保険適用を継続する。(中略)「ホメオパシーに保険が効かなくなれば、患者はその代わりに他の薬を使用するだけだ。それでは結局、保険制度にとって、より高くつくから、ホメオパシーの保険適用は続けるべきだ」と大臣は説明しました。正しい判断かも知れません。医薬品の四〇パーセント近くがプラシーボとして使用されている現状を考えると、薬用成分の含まれないホメオパシーを残す方が安全なだけでなく、保険の負担としても安上がりです。

と、ある種の思い込みとか錯覚みたいなものでも効果があって、
それでいろいろ都合よくなるなら、そっちに社会の制度を
合わせていくんだ、というところにすごいなと思いました。


で、なんの話でしたっけ。
本だ。プラシーボについてはほんの一例で、
人間の持っている意志や主体というものが、
いかに適当なものかということが書かれている。本の帯に
「真理なき世界の光景 普遍的価値の罠を明らかにし、<開かれた社会>の真相に迫る!」
とあるけど、普遍的価値と思っていたことや常識が、
次々とぶっ壊されていくのは痛快で、
人格、意志、行動などは環境や状況によって、
いくらでも変化する錯覚であることが様々な実験結果で示され、
そんな人間たちによって社会が形成され、
維持されつつも変化していく虚構のメカニズムを、
フェスティンガーとモスコヴィッシという
二人の社会心理学者の理論を中心に紹介してあって、
とても興奮する内容で、たいへん勉強になった。
(勉強になったとか言ってるのも錯覚だと思うけど)

6月13日

新橋で飲んだ。イガラシイッセイ氏と、
店名もよく見ずになんとなく入った店がとてもよかった。
カウンターに座ると狭いのだけど、
刺身盛りのクオリティが素晴らしく日本酒をやった。
http://instagram.com/p/pxcfZtiwk7/
1時間ほどいてから、別の店に移動して飲んだ。
東雲さん、マリエさん、Fさんがやって来て飲んで、
あとから春昆布さんとユウコさんが来た。


終電すぎて、Fさん、春昆布さん、ユウコさんと
歩くことになった。ずっと歩き続けて、
ひとりずつ家に送って行くみたいな話で、
歩き出したと思うのだけど、みんな相当酔っていた。
はじめのうちはテンション高く、東京タワーが見えるとか、
楽しく歩いていたのだけど、全員疲労が限界に達して、
三田のガストに入って朝までいた。
結局、ひとりも送ることはできなかった。

6月14日

朝帰り、風呂、昼まで眠って夕方ジム。

石井直方の筋肉まるわかり大事典

石井直方の筋肉まるわかり大事典

この本を読んで筋トレの仕方をしっかりするようにした。
マシントレーニングは8回くらいで限界の重さにするのを、
5セットくらいするようにして、呼吸や姿勢を意識して、
それから運動後に牛乳を飲むようにした。
そうしたら、筋肉痛になった。行くたびになる。


ジムの風呂とサウナが気持よく、
さっぱりして出ると暗くなってる。上大岡の書店を見て、
映画館のレイトショーが始まる時間まで喫茶店で読書。
毎週これをしている。
映画は「私の男」を見た。

『私の男』劇場予告編 - YouTube
心が掻き乱れて大変すぎて、
中盤から自分が何に強く反応してどう感じているかを
半歩下がって観察しながら見た。
そうしてないと具合がわるくなりそうなほどだった。
映画『私の男』公式サイト

6月15日

前日と同じように昼まで眠って夕方ジム。
筋トレと有酸素運動。
上大岡の書店を見て、レイトショーの時間を見たら、
まだだいぶあったので、焼鳥屋の鳥佳へ行った。
日曜の夜だし、人気のある店なので、だいたい売れて、
きのことか出せるものが少ないけどいい? と聞かれて、
もちろんいいのでカウンターで飲む。エリンギやうずら、
つくねがあったのでつくね。日本酒を二合。これがまたうまい。
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二号店、三号店とあるのだけど、やっぱり本店がうまい。
材料は全店で一括して仕入れているのか、
煮込みの味はどの店舗も同じ気がするのだけど、
やっぱり本店がうまいのは、マスターの焼き方と店の歴史
のようなものなのだろうと思う(あとプラシーボ)。


映画は「わたしのハワイの歩きかた」を見た。

映画『わたしのハワイの歩きかた』予告編 - YouTube
前日に見た「私の男」が重たすぎて軽いのを見たくなったのだ。
お客はぼくしか入っておらず、プライベートシアター状態。

いやされる内容かと思っていたけど、
煩悩の塊のような登場人物たちが出てきて、
多くのシーンが自分のカルマと反応してイライラするのだけど、
そうやって感情が動かされることが、
心の偏りへ意識を向けることに役立ち、
己を知るうえで、非常にためになる作品だと思った。


この映画も、「私の男」も、他の映画もだけど、
見ることでプライベートな感情を動かされて、
その動きの中から、ああ自分ってこういうのがいやなんだとか、
こういうのに惹かれるんだとか、自分を知ることができて、
そしてそのあとに変化が起きる可能性のある映画が、
ぼくが思ういい映画なんだろうなと思った。

6月17日

川崎の別海という居酒屋で飲んだ。
駅から少し歩くけど、いかにもな居酒屋で座敷があって、
〆鯖の量がすごい。食べものもお酒もうまい。
そこにインドネシアから帰国中のさえさん、
小宮山さん、hassy&massy、YUさん、
イッセイ氏、ダヤンさんで飲んだ。


座敷でわいわい飲んでいたら、
ふと目黒にあった居酒屋よしを思い出した。
massyちゃんは1歳半となって、
人見知りっぽい感じになったりしていてかわいかった。
さえさんは相変わらずエネルギッシュで、
インドネシアの話などを聞かせていただいたりした。
正調へもいっ子飲み会という感じだった。

6月21日

おのしゅうさんと草津温泉へ行った。
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草津へは四回め。パワースポット。
代々木から、上州ゆめぐり号という高速バスが出ている。
これで四時間ほど(途中休憩あり)で着く。
四時間というとげっそりするほど長いけど、
電車で行っても草津温泉の最寄り駅まで三時間半、
そこからバスにしばらく乗るので同じくらいかかる。
けど、バスのほうが安い片道三千円くらいで行ける。


着いたのは土曜の昼で、雷鳴が響いていたけど小雨。
宿に荷物と貴重品を預けて、西の河原露天風呂へ行く。
着いたらまずここへ行くと決めている。
小雨の中の温泉もよかった。目に入ると染みる、
口に入ると酸っぱい。強い酸性のお湯。いい。
湯畑周辺を散歩して、宿で食事。うまい。
宿の温泉もこじんまりしていてよかった。
http://instagram.com/p/pf6uItCwqw/
http://instagram.com/p/pxl2hdCwgi/
http://instagram.com/p/phoAhTCwnS/
夜に、おのしゅうさんとポーカーなどしていたのだけど、
なにもすることがなくなって暇を持て余したので、
草津のいろんな施設に張り紙がしてあった「温泉落語」
というのを見に出かけた。湯畑すぐのところで、
日中は湯もみ体験などができる施設で、夜は舞台になる。
http://instagram.com/p/pxnhm3iwiU/
落語家の人が枕で話していたけど、
草津の夜は、たしかにすることがない、娯楽がない。
そこで落語をすることになったらしい。
1時間ほどで終わって宿に帰って、
酒屋で買ったお酒を湯のみに入れて飲んでいたら、
猛烈な眠気がきたので十時頃に寝た。


朝6時に目が覚めて、温泉。夜中はすごい雨だったようだ。
ゆっくり朝食をとって支度をして、
「草津熱帯圏」という熱帯動植物園へ行くことにした。
期待していなかったけど、とてもおもしろい施設で満喫した。
そのあと、大滝の湯へ。温泉に浸かる。
合わせ湯というのがあって、異なる温度の五つの浴槽を、
温度の低い方から順に一分ずつ入る入浴法で、
一つめはぬるいのだけど、四つめになるとかなり熱い。
おのしゅうさんは耐えられずに出ていたが、
草津まで来てお湯から逃げるなんてのはあれなので、
最後までぼくは我慢して入った。熱すぎて逆に、
あれこれ冷たくないか? と一瞬思うほどだった。
が、やっぱり熱く熱湯コマーシャルかと取り違えるほどで、
かき氷の山を探しそうになった。


その後は温泉饅頭を買って、バスターミナルの
二階にある温泉資料館(けっこう充実している)を見て、
バスで四時間で新宿。帰ってきた。
よい温泉は地球との一体感がある。
霊的なエネルギーに満たされた感じになった。よかった。

6月23日

アメリカの経済学者タイラー・コーエンさんの
『フレーミング』という本を読んだ。

フレーミング「自分の経済学」で幸福を切りとる

フレーミング「自分の経済学」で幸福を切りとる

人は、バイアスがあるからこそ、自分にとって価値ある情報を選べる。これが「フレーミング」。情報の小さなピースを上手に集めて、頭の中に「自分だけの経済」をつくれば、複雑きわまりない世の中を、楽しく生きていける。

とか、

世界を人間にとって現実的で、はっきり見定められるものにするために、人は情報食(インフォボア)になった。情報の整理や操作は、便利で楽しく、緊張と安らぎを交互にもたらしてくれる作業であり、また哲学的な深淵を探る助けにもなる。われわれが足を踏み入れつつある世界では、情報の収集や整理が、奇妙なまでの、おそろしく極端な状況にすでに達しているが、それは(たいていは)良いことである。それは人生でも最高の見返りを数多くもたらす道、自分だけの経済を創造し、自分のための学習や娯楽を自在にコントロールするための道なのだ。

とあって、はじめの方は何についての本なのか、
さっぱりわからなかったのだけど、自閉症のことが書いてある。
ネガティブな意味ではなく、ITの進歩などで、
多くの人が自閉症的な性質を持つようになっていることと、
これからますます自閉症的な傾向を持つことが、
楽しく生きるために重要なことだと説いている。
そうとう変わった内容の本だと思うけど、
読んでみると納得することがたくさんある。
というか、ぼく自身がすでにそういう生き方をしていて、
とくに自分が楽しくしていられるようになったのが、
本に書いてある「自分だけの経済」というものを作って、
世の中を見ていく方法を学んだときからだったと振り返った。


診断されたわけではないけど、ぼくはわりと自閉症的だと思う。
会社で会議を開催して、それ自体は問題なく終わったのだけど、
出席者の方から、
「ホラーのような演出だった」「不思議な緊張感があった」
という感想をいただいたのだった。
ぼくが話すとぼくの不気味さだけが伝わって、内容が届かない。
小学生の頃から通知表に「元気よく話しましょう」とか、
「もっと大きい声で」とか「もっとみんなと話しましょう」と、
アドバイスを書かれてきて、そのたびに頑張ろうと思ったけど、
まったくどうしていいかわからずに悩んだり、
気持ちや意識の問題だと思われて落ち込んだりもしたのだけど、
自閉症的な弱みを克服することを学習して強みにする
というのを、ぼんやり学んだのはこれだと思う。


2008年に「サイレンツ」というコンビを作って、
漫才のMー1グランプリに出場した。
相方のイッセイ氏もぼくと同様に喋らない(沈黙)からサイレンツ。
関東のアマチュアで、準々決勝まで勝ち抜いたのはサイレンツだけだそうだ。
若手漫才師の憧れの舞台(らしい)「ルミネtheよしもと」の
舞台に練習を一度もしていないぼくらが立ったのだった。
動画をご覧いただけると分かる通り、とても自閉症的だと思う
(ぼくはこれでもしっかりしゃべっている方だ)。


こういうことなんだと思う。
このブログだって、ぼくがもし人と直接話すのが大好きで、
声が大きく口頭で過不足なく内容を伝えられる人間だったら、
わざわざ書いていないような気がする、十年以上やってるし。
自分から友達をつくるのが苦手なので、遊び場とルールを
提供して来てもらうという発想をしていなかったら、
リアル桃鉄とかエクストリーム出社もやってなかったかもしれない。
だからむしろ、自閉症的なおかげで、へもいっ子クラブとか、
たくさんの友人ができたのだと思った。
で、その総合的な行動の仕方とか考え方自体が、
ぼく自身の経済になっている。独自の価値基準があって、
それで世の中を認識している。そうしたら、
生きるのがわりと楽になったような気がする。
だから、いまでは、
「ホラーのような演出だった」「不思議な緊張感があった」
と言われると、正直ちょっとうれしい(それもどうかと思うけど)。


とくにこの頃は、ますます変わりづらくなってきたのか、
弱みを克服するために強みを活かすということをよく考える。
本ばかり読んでいるのも、自分だけの経済を充実させたいのだと思う。
これからもクセみたいに読むことや考えることを続けたい。
自分としっかり向き合って、少しでも納得いくことをしたい。
その方法を探ることに、いまは熱心になっている。

6月27日

久々のエクストリーム出社。
プロレスリング・ノアの道場がある有明の
「ディファ有明」へ行ってプロレス体験をした。
http://instagram.com/p/px2BO3iwiN/
リングを間近に見るのもはじめて、上がるのもはじめてで、
朝七時からすごい興奮した。リング上でストレッチをして体をほぐし、
リングでロープの反動を楽しんだり、
コーナーからマットの上に飛び降りたりした。


丸藤選手がマイクで普段の練習について解説してくださって、
また、石森選手と熊野選手による技の実演を見せていただいたり、
超充実した時間だった。技をかけてもらうコーナーもあって、
痛いのや苦しいのを、超ゆる~くかけてもらうという、
貴重なひと時だった。


それにしても、プロレスラーはすごい。
いつも、通しで何時間も練習をしている。
小さな技でさえケガをさせてしまう可能性があるので、
とても慎重だった。すごい人たちが戦う試合は、
さらにすごいことになるのだろうな。参加できてよかった。
http://instagram.com/p/px12g0Cwh9/
逆エビがためされている、あまやんさん